前歯部反対咬合の歯科矯正治療

症例6:成人における前歯部反対咬合を外科手術を併用して治療した

骨格的に異常がある場合、上顎前歯を思い切り前にだして、そして下顎前歯を思い切り後ろに倒して、矯正治療だけで治す方法もあります。しかし、この治療法ですと、下顎の先っぽ(オトガイブ)の前突感は治りません。下顎骨が長すぎる場合、それを短くしてあげるには手術を併用するほかないわけです。手術というのは怖いかもしれませんが、原因が骨の長さであれば、それを短くすることを考えないと完全に治すことはできません。

 なお、この治療法は手術前の歯科矯正治療から手術まですべて健康保険適用になっております。(施設基準という制約があり、歯科医なら誰でもできるわけではありません。)

1)初診時:上顎右側の側切歯は先天欠如でした。骨格性反対咬合の場合、写真のように下顎前歯が後ろに倒れている(舌側傾斜)のが特徴です。
2)上顎の左右対称性を作るために上顎左側側切歯を抜歯して、術前矯正治療開始。

3)術前矯正治療終了時。(上顎左側側切歯のスペースは時間の関係上閉じきれませんでした。)

4)手術直後(上の写真の10日後)。このあとに、術後矯正治療が行われます。
5)治療終了時
治療による側貌(横顔)の変化

治療前の口元

 

術前矯正治療終了時の口元

上の写真で5)の時の写真です。

(一時的に反対がひどくなっているため唇の状態がひどくなってます。)

装置撤去2年後の口元

 

 かみ合わせの状態が良くなったのはもちろんですが、横顔の変化は劇的です。長い下顎が短くなることにより、上顎とのバランス、鼻とのバランスすべてが好転します。

 手術はご本人にとっては嫌なことかもしれませんが、その後の満足度はかなり大きいので、必要であると判断されたなら、選択しても良い治療法であると考えます。


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