ぎいちの戯言 その10:ある転医症例から
父親の転勤によって、それまでの所に通えなくなる。よくあることです。歯科矯正治療の場合、装置がはずれたりすれば
・軟組織(唇やほっぺたや歯肉)に傷を作り痛いですし、
・装置がはずれている間は、治療が進まない、あるいは後戻りしてしまう危険性がありますから、
問題が起こればすぐに診てもらえる距離に担当医が居なくはいけません。自転車で通える距離が理想だと思ってますが、車で1時間以内が良いと思います。ブラジルの方ですと、車で2時間ぐらいはたいした移動距離ではないようですね。
さて、先日、東京からの転医患者さんがみえました。上顎前突症(出っ歯)です。鼻と上唇の高さが同じくらい、下顎が小さく下がったタイプです。上顎には、第二乳臼歯がまだ残っている小学校五年生、身長134cmの女の子。
しかし、すでに下顎の第一小臼歯が抜歯され、上下の歯列にマルチブラケット(歯を動かす金具)が付いておりました。
上顎前突を治す治療方法として、「永久歯列完成後に小臼歯を抜歯して、そのスペースを使って前歯を下げる。」というのはあります。繰り返します。「永久歯列完成後」です。乳歯が残っている間に小臼歯を抜くのは連続抜歯(→詳細はこちら)という前歯部叢生の改善方法しかありません。
なぜ、こんなに治療を急ぐのか? お金を一刻も早く患者さんから取りたいから? 少なくとも、患者さんの身体の事や懐のことなど考えていないと思います。患者さんのためになる治療ではなく、お金が目的なんですね。
前医を聞いたら、OCAJapanの加盟店でした。
そちらでは、静岡市に新しくできるOCAJapanの加盟店を転医先として勧められたそうです。仲間内で丸め込もうという魂胆でしょうか?
料金の返還、治療継続依頼書など書類上の不備がありましたら、患者さんのプライバシーを侵害しない範囲内でお知らせしてゆきます。