ぎいちの戯言 その18:いろんなレベルが存在するんですよ


  歯科医師会に入会当時、ある先生から「チンキャップを四年もやっているんだけど、治らないんですよ。」と相談を持ちかけられたことがあります。「症例分析はされているんですか?」相手は素人だとわかってますから、優しく聞きました。その返答は、「反対咬合と言ったら、チンキャップでしょう!」

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 エライ自信ですけど、患者さんがかわいそうです。

 大学(歯学部)の同級生と話していても、歯科矯正治療に関しては、大学の教科書レベルの話しかできません。同じ装置を使っても、治る人と治らない人がいるわけですが、その見極めが、教科書レベルではわからないわけです。

 歯科医でも、いろいろなレベルの人がいます。他医批判ととるか、そういったレベルの違いを認識するか、ですね。診断もしないで装置をテキトーに使っている人たちをたくさん見ています。取り返しのつかない副作用が出ても、シロート矯正なら料金が安いから、あきらめますか? そのような担当医を選んだ「自己責任」ですか?

 副作用の怖さを知っている私が使えない装置を、副作用の恐ろしさを知らないシロート矯正家がお使いになる。

 「その装置じゃ治らないよ。」と専門医が考えている装置を、使うように延々と指示するシロート矯正家もいらっしゃる。

 患者さんと話していて、よく勉強されている方もいれば、そうでない方もいらっしゃる。手品の種明かしと同じで、「これは、こうなっているから、こう治るんだよ。」と説明すると、「なるほど!」という顔をされる。自分の身体について完全に無関心な人はいないと思います。

 患者さんのMLで「雑談で結構。」みたいな話になってしまいましたが、それは他人事だから言えることでしょう。自分の身体に関わることなら、雑談なんて単語は使えませんよ。真剣に答えてきました、もうやめます。誠意を込めてやって、悪く言われるのではたまりませんね。


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