ぎいちの戯言 その39:歯科矯正に伴う抜歯の費用


 

 藤枝市民病院の歯科口腔外科で、自由診療である(つまり健康保険が効かない)インプラントの前処置として行った顎堤形成術 を保険請求したことで、保険医停止1ヶ月という処分が下されました。理由は簡単でして、保険治療と自由診療をごちゃ混ぜにして治療してはいけない=混合診療の禁止、という健康保険上のルールがあるからです。

 しかし、このことが発端となり、自由診療である歯科矯正治療の前処置である小臼歯抜歯も保険適用外とする動きがあります。歯科医師会側で自粛みたいな形になってます。患者さんにとっては、当然負担増になります。

 たとえば、低位唇側転位の犬歯(俗に言う八重歯)を転移歯という病名を付けてで抜歯した場合は健康保険が適用されますが、歯科矯正治療に伴う第一小臼歯抜歯がダメというわけです。犬歯は全部のは野中で一番長い歯ですし、歯寿命も一番長い歯です。また、かみ合わせ運動の面でも前歯(平たい歯)と奥歯(臼のような歯)を協調させるように働かせる働きがあります。また、形も四角い前歯から丸い奥歯につなぐ形をしていますから、、見た目上でも重要です。

 結構、重要な歯なので基本的には矯正医は犬歯を抜歯しません。

 歯科矯正治療をしたくない人は八重歯の症例だったら、犬歯を保険で抜いておわりにする???

 

 あと、自院と他院の処置が連続するわけでもありませんよね。他院でやっ
た保険の根管治療(根っこの治療)に、自院で自費のかぶせ歯(保険のきかない白い歯)を入れたら、根管治療の保険料金を一度 返させて自費で再徴収するわけ????
 私自身が、保険で抜歯して、歯科矯正治療を連続してやるのなら、混合診 療と理解できますが、ヨソでやったことにまで波及するとは思えません。

 事実、他院で行ったインプラントの除去手術は健康保険適用です。(自院でやったものはだめです。) 別の診療所でやれば混合診療ではないと厚労省が認めているわけです。歯科矯正治療と抜歯を同じ施設でやると100%混合診療でしょうけど、違う施設でやったら混合診療にならないのでは?


 例外として、外科矯正に伴う歯科矯正治療は健康保険適用ですので、これ に付随する小臼歯抜歯があれば健保適用で構わないはずです。もし、自費でお金を頂くとそれが混合診療になってしまいます。

 


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