ぎいちの戯言 その44:学校歯科健診を終えて3(感想=歯列咬合、不正咬合について)


 

 3月に地元歯科医師会で、健診基準について講演会があり、講演者(台本、スライド作りも全部やらせて頂きました)でしたから、健診基準は何十回も読みましたし、各地歯科医師会のスライド等もできる限り取り寄せました。一応、健診における標準的な目は養ったつもりです。

 日本矯正歯科学会等、歯科矯正泉門の学会誌ですと、不正咬合の割合は30%ぐらいです。学校歯科健診では健診新基準が厳しいので、おそらく治療勧告は10%程度でしょう。様子見(観察)になるのが15〜20%ぐらいではないでしょうか? ちなみに、前歯部開咬の健診基準は、手術しないと治らないぐらいでないの程度で治療勧告の「2」となります。具体的には、上下の前歯が垂直的に6ミリ開いていないと治療勧告の出る「2」になりません。

 しかし、現実的には開咬は1ミリでも開咬です。学童児童は成長により顎の偏位やスペース不足など悪化の途をたどる可能性があります。1ミリでも異常があれば、そこで手を出して悪くなる前に食い止める、良い状態に導くことができるのです。

 現在の学校歯科健診における不正咬合においては、治療を考慮に入れた概念はありません。あくまで形だけで判定するものです。よって、学校歯科健診で治療勧告を受けなくても、「おかしいな?」、と思えば専門医を受診してください。

 ひどくなる前にやったほうが比較的簡単に治せるものがありますし、習癖が原因であるものは若い年齢のほうが治りがよいです。

 


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