ぎいちの戯言 その47:顎関節症について


 ビートたけしさんの番組「本当は怖い家庭の医学」の2008年9月9日放送分で、顎関節症を取り上げていておりましたので、すこしばかりコメントを。。。

 ポイントは、以下です。

1)骨や軟骨にダメージが出る場合(基質的な変化が現れた場合)と、そうでない場合(音や軽い違和感程度)。

2)若年者か、年配者か

3)歯があるか、無いか

 番組中の症例1で気をつけて欲しいのは、年齢(37歳)、パソコンを使って残業(姿勢、ストレス)、初期症状が出た時に対処してない点、などです。

 初期症状を見逃して、関節円板が内前方に落ちたのが寿司を食べた時ですね。それ以前に生活を改めていればなんてことはなかったはずです。理屈としては、側頭骨にある関節窩と下顎骨の関節頭の間にある関節軟骨がズレることが問題なわけです。ズレつ原因はいろいろありますが、ストレス(肉体的、精神的)のウエートは大きいようです。ズレを軽いうちに修正しておけば良いわけです。若い人は元に戻る能力が高いので、一過性という病態で「知らない間に治った」りします。

 朝の散歩をするだけで治る人もおりますよ。歯医者はかみ合わせとか虫歯とか、歯を中心に考えますが、それがすべてではありません。今回、精神的なストレスについて言及していたのは、これまでの番組内容とは異なる点で良いことだと思います。

 悪いのは、たいした症状でもないのに、歯医者や医者がいじくり回して、ひどい状態にしてしまう場合です。(安易に歯を削ったり、注射をしてはいけない。)症状(筋肉、神経、関節の動き)、年齢、姿勢、仕事などを調べて、総合的に判断しないといけません。

 第2症例は、顎を動かす筋肉が腱で固まってしまう病気。原因不明ということですので、どうしようもないですね。手術療法しかないようです。ちなみに、顎関節症でも症状がひどければ手術療法があります。


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