ぎいちの戯言 その59:平成22年の保険点数改悪のまとめ
民主党政権になったところで、税収の落ち込みがあるのですから、当然支出は削らざるを得ないわけです。スーパーコンピューターや宇宙開発を削る前に、公務員の定数を削り給料を下げるべきでしょう。天下りが悪いわけではなく、役人の動きとともに国民の税金がそちらに流れる仕組みがおかしいし、無駄が多いわけです。
歯科矯正についても、やはりマイナス改悪です。以下にまとめておきます。
1.歯科矯正管理料の減点
300点 → 240点 減額60点
(説明)来院ごとに、お口の中をきれいにしたりする治療行為、治療の進行状況や今後の見通しなどの説明など、他の診療行為で点数が付かないことはすべてこの管理料に含まれます。反対咬合だった患者さんに正しい舌の使い方を教えても(舌癖のトレーニングと言います)、この点数に含まれます。
2.咬合採得の減点
(簡単なもの)100点 → 70点 (30点の減点)
(複雑なもの)200点 → 140点 (60点の減点)
(説明)装置を作る時にかみ合わせの状態を記録することを咬合採得と言います。やっている内容は変わらず使用する材料も変わらないのですが、点数だけが減点されてます。これを、「理不尽に削る」と言います。
3.初再診料の増点
(初診料) 182点 → 218点 (36点の増点)
(初診料) 40点 → 42点 (2点の増点)
(説明)今までは初診料が低すぎただけです。ちなみに医科の初診料は274点です。器具の滅菌など診療の手間は同じか、歯科のほうが大変なはずですが、点数は低く抑えられております。再診料も同様です。
4.シミュレーション
外科矯正で、術前矯正治療で18回、術後矯正治療で6回、保定観察で10回程度通院するとした場合のシミュレーションをしてみます。通算で34回ですね。
(増点分)36x1+2x33=102点(初診料1回、再診料33回分)
(減点分)60x33+60=2040点(管理料33回分、リテーナーの印象のマイナス30x2)
(差し引き)1938点(=19380円の減収
5.前回の改悪と合わせると
患者さん一人当たり、約6万円の減収です。つまり、6万円分タダで働け!と厚労省や財務省が決めた、ということになりますね。