ぎいちの戯言 その61:最近思うこと2 (ムーシールドって、何?)
真面目にやっていると、頭にくることもあります。
1)セファログラムを撮らないで、歯科矯正治療ができるのか? →ヨソから転医された患者さんの話を聞いていると、頭のレントゲン写真(セファログラム)の分析結果を説明されず、今後の見通しも聞かされず治療が始まるようです。 |
私は、セファログラムを撮影して、それを分析して、治療計画を立て、治療効果を予想して、治療を開始します。 それが当然の手順だと考えていましたから。 しかし、そうではない所もあるんですね。 なるほど、「今後の見通し」や「将来的な問題」について、考えていないから、「その場限りの、場当たり的な治療を平気な顔してできるんですね。 後で(数年後に)、全部無駄になる歯科矯正治療ってあるんです。「早いうちにやったほうが良いですよ。」というのがウソである場合もあるわけです。 |
2)ムーシールドが効くのか? | 症例によっては効くと思いますよ。 骨格的な異常のない(=機能性)の反対咬合のごく一部ならば。 でも、こういった種類の反対咬合は、永久歯にはえかわる時に自然治癒する可能性も高いです。 もし、永久歯にはえかわる時に直らなくても、簡単な矯正装置で「アッ」という間に治ります。 確かに反対咬合の原因のひとつに「低位舌」はあると思いますが、反対咬合だから低位舌になっている場合もあります。低位舌と反対咬合は鶏と卵の問題と同じく、どちらが先であるかはわかりません。低位舌が治れば反対咬合が治るかというと、そうでもありません。また反対咬合が治れば低位舌が改善されるか、というと、これもそうなるとは限りません。 あと、一番問題だと思うのは、セファロ写真もとらず症例分析もしないで(つまり、本当に効く症例かどうか検討もしないで)、闇雲にこの装置を入れると、あたりまえですけど治りません。治らないだけなら良いのですが、後でとんでもないことになりますよ。 |
3)ムーシールドで治らないもの | 骨格性の反対咬合。 一時的に治ったような気がするかもしれないけど、最終的には(後で)無駄な治療だったとわかる。 |
ムーシールドのお値段 | 矯正の雑誌に広告が出てましたが、1個1万円の標準価格って書いてあります。 標準価格ということは、これよりも安い価格で仕入れ可能ということですな。 |