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ぎいちの戯言 その73:最低限セファログラム(頭部エックス線規格写真)は撮影しましょう。


  歯科矯正治療では、異常を発見するために必ずレントゲン写真を撮ります。その中に頭部エックス線規格写真(通称セファログラム Cephalogram)と言うものがあります。撮影条件は一定ですので、日本国中どこに行っても同じ条件で撮影できます。

 さて、ちゃんとした歯科矯正治療を行っている所であれば、当然(!)撮影されるべきこのセファログラムが無い所があります。中古の安い撮影装置でも100万円はしますから、それをケチっているのかもしれませんが、これ(セファロ撮影装置)がないと歯科矯正治療はできません。(少なくとも、私にはできません。)

 ヨソからの転位症例で一番困るのは、このセファログラムがないこと、あるいはあっても形だけ撮影しただけで、使い物にならない場合です。

ダメセファロ

 多くの問題点があります。まず、外耳孔が写っていません。頸椎も写ってません。上気道も移っていませんから、評価できません。

 同じ人のウチで撮影したセファロフラムが下。

良いセファロ

 外耳孔は分析する時に頭の基準点になりますので、写っていないと言うことは使い物にならないと同じ意味です。あと、鮮明であることも大事な要素です。読影できませんからね。

 

 

セファログラムは頭(頭蓋)を基準にして、上顎骨や下顎骨の位置関係や形、歯の角度、舌の位置、気道の状態などを調べるために必ず必要です。これにより、

1)どこが悪いのか、不正咬合の本質を理解する。

2)その原因になるものを考えるための資料となる。

3)子供であれば、成長の予測もする。

4)成人であれば、治療のゴールの設定ができる。

5)症例の難易度(治療の難しさ)が治療前にわかる。治療上、注意しなければ行けない点がわかる。

等々ができます。簡単に言うと、セファログラムが無いと治療が始まらないわけです。

 検査でセファログラムを撮影する歯科矯正医ならば、診断時にちゃんと説明してくれるはずです。「どこが悪くて、そこを治すためにこの装置を使います。」というようなお話しをしてくれるはずです。分からなかったら、質問してください。ちゃんと答えてくれるはずですよ。


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