歯科矯正治療で犬歯を抜かない理由
歯科矯正を専門にしているところでは、おそらく犬歯を抜いて歯科矯正治療をすることはありません。私は今まで一例もありません。
ねぜか? 転医症例からその理由を説明します。
「犬歯を抜いて歯科矯正治療をしましょう。」と言われたら、別の歯科矯正専門医に相談されることをお勧めします。
☆症例1 | ||
chiryou wo kaisisite, 2nen tatteiru soudesu. (Takuboku no Ro-maji nikki mitaidana.) |
下顎右側犬歯が抜歯されてます。おそらく、犬歯が唇側転位(表側に)とびだしてはえていたのでしょう。シロウト矯正では、その出ている歯を抜けば早く終わると考えるのでしょうか?抜いちゃいます。 で、シロウト矯正では、装着するワイヤーを曲げませんし、痛みを恐れてやわらかい針金しか使いませんから、写真の矢印のように歯が倒れてきます。 で、噛み合わせがグチャグチャになってしまうんです。 歯が倒れると、舌の入る場所が狭くなりますので、仕舞っておけなくなり前に出てきます。 で、噛めなくなります。
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☆症例2 | ||
] taicho ga warui to ittemo , "naotteiru. mondai nai." to iware,saigoniha "seisin-byou ja naino?"to iwareta soudesu.
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上顎左側の犬歯が抜歯されています。 上の症例と同じでそこで歯列弓(アーチ)がつぶれています。 困ったことに、これに合わせて下顎も歯列弓をつぶしてますので、舌の入る場所が狭くなって、噛めない、食べれない、体調も悪い、ということで来院されました。 )治療前) 向かって右(犬歯の抜かれているほう)の歯が見えないこと。噛めていないので、あごのラインが左右非対称なことに注意。 (治療後) 左右の歯の見え方がそろってます。左右均等に噛めるので顎のラインもそろってきてます。
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☆犬歯を抜かない理由
1)見た目の問題1:前歯は四角い形、奥歯は丸い形。犬歯はその形の異なる歯を移行的に並べるための形なんだな。
2)見た目の問題2:犬歯は口角〜鼻唇溝線の部分を内側から支えているので、、下手に抜くと、ここが落ち込んで老けた顔になる。(芸能人で八重歯だった人が抜いて治すとフケ顔になるのはよく見る。)
3)かみ合わせの面から:前歯は切る歯(だから切歯という)、奥歯はすりつぶす歯(だから臼歯という)と2つの役割をする前歯と奥歯の働きを調節する重要な働きがあります。(という説があります)
4)犬歯はむし歯になりにくい歯です。また、歯根(歯の根っこ)も一番長いので、すべての歯の中で一番最後まで残る確率が高いのです。厚労省の統計でも下顎左側犬市の歯寿命が最長です。
※むし歯で崩壊した状態の犬歯なら、抜歯するかもしれません。(今のところ見たことはありません。)