AMD製CPU情報1

               最終更新日 : 1999/10/21.   by m-kamiya


本項は、Webpage,DataSheetから得たCPUの情報を掲示してます。

現時点では、デスクトップ用だけですが、いずれモバイル用も上げる予定です。


内容(目次)

   K6

   K6−2

   K6−III(低発熱版400,450追加)


K6

dot_5.gif (999 バイト) 簡単な説明

 AMD社が、CPUメーカー「ネクスジェン」社が開発していた「Nx586」を、会社ごと買収しSocket7互換に再設計し直したもの。互換性を重視したため、「Nx586」よりかなり性能が落ちたと言われているが、整数演算能力などは同一クロックのPen2をも上回る能力を持つ。

 1997年4月の発表からK6-2の1998年5月の発表まで今のAMD社の基礎を築いたCPUで有る。

 種類は、大きく分けて、プロセスの異なるモデル6(0.35μm),モデル7(0.25μm)と分かれ、CORE電圧が大きく違う。

 現時点では、次のK6-2に主力の座を譲っているが、そのK6-2も基本設計はK6+「3DNow!」で有り、「3DNow!」命令を使わない用途や、FSBを100MHzで使うのなければ、遜色無い性能と感じる。

dot_5.gif (999 バイト) 種類と仕様

  公式(?)
倍率/FSB
最大消費
電力(W)
動作温度
(℃)
CORE電圧
[Vcc2] (V)
I/O電圧
[Vcc3] (V)
トランジ
スタ数
ダイ
サイズ
(平方mm)
プロセス
(μm)
166MHz 2.5/66.6 17.20 0-70 2.8
(2.755〜3.045)
3.3
(3.135〜3.6)
850万 162 0.35
200MHz 3.0/66.6 20.00 0-70 2.8
(2.755〜3.045)
3.3
(3.135〜3.6)
850万 162 0.35
3.0/66.6 12.48 0-70 2.2 (2.1〜2.3) 3.3
(3.135〜3.6)
850万 68 0.25
233MHz 3.5/66.6 28.30 0-70 3.2 (3.1〜3.3) 3.3
(3.135〜3.6)
850万 162 0.35
3.5/66.6 13.50 0-70 2.2 (2.1〜2.3) 3.3
(3.135〜3.6)
850万 68 0.25
266MHz 4.5/66.6 33.30 0-70 3.2 (3.1〜3.3) 3.3
(3.135〜3.6)
850万 162 0.35
4.5/66.6 14.55 0-70 2.2 (2.1〜2.3) 3.3
(3.135〜3.6)
850万 68 0.25
300MHz 5.0/
66.6
15.40 0-70 2.2 (2.1〜2.3) 3.3
(3.135〜3.6)
850万 68 0.25

参照DataSheet:20695h.pdf,j20695h.pdf

dot_5.gif (999 バイト) 備考

 最終版のDataSheetが20695h.pdf(英語版)で有る。348ページ(ファイルサイズ:5MB)と巨大な資料だが、前半がモデル6,後半がモデル7の資料になっている。

 このDataSheetには、j20695.pdf(日本語版)も出ているが、残念ながらモデル6までの内容しか載っていない。
 しかし、この日本語版の中には、今回まとめるにあたって面白い点を発見した。
それは、英語版に無い”モデル6,266MHz”で有る。”なぜ”英語版に無く、日本語版に有るかは不明だ。
 このCPUを幸運(?)にも私は持っているが、通常では発熱が多すぎて使えないと判断している。
当初は、モデル7の離陸までの繋ぎとして正式に発売するつもりだったのでは?

内容に戻る


K6−2

dot_5.gif (999 バイト) 簡単な説明

 AMD社が、K6をベースに独自の3D関連の命令系「3DNow!」を追加したCPU。
簡単に言えば、MMX命令が整数演算しか出来ないのに対し、+αの命令追加で単精度浮動小数点を使える様にしたと思えば良い。AMDが提唱するSuper7に対応した最初のCPUでも有る。

 その命令の+αもソフトメーカーに聞き、最低限&厳選したと聞く。
 心配されたソフトの対応度も、DirectX6,主要グラフィックドライバでも対応され、対応ゲームも増えているみたいだ。

 「3DNow!」の利点は、OSの対応がいらない上に、売れ筋のK6-2=「3DNow!」対応になるため、市場に対応機種が増えること。そして、拡張を最低限にしたため、増えたトランジスタ数(ダイサイズ)を抑えることにより、価格面への影響を最低限に抑えたことだろう。

dot_5.gif (999 バイト) 種類と仕様

  公式(?)
倍率/FSB
最大消費
電力(W)
動作温度
(℃)
CORE電圧
[Vcc2] (V)
I/O電圧
[Vcc3] (V)
トランジ
スタ数
ダイ
サイズ
(平方mm)
プロセス
(μm)
233MHz 3.5/
66.6
13.50 0-70 2.2
(2.2〜2.3)
3.3
(3.135〜3.6)
930万 81 0.25
266MHz 4.0/
66.6
14.70 0-70 2.2
(2.2〜2.3)
3.3
(3.135〜3.6)
930万 81 0.25
300MHz 3.0/
100
17.20 0-70 2.2
(2.2〜2.3)
3.3
(3.135〜3.6)
930万 81 0.25
333MHz 4.5/
66.6
19.00 0-70 2.2
(2.2〜2.3)
3.3
(3.135〜3.6)
930万 81 0.25
350MHz 3.5/
100
19.95 0-70 2.2
(2.2〜2.3)
3.3
(3.135〜3.6)
930万 81 0.25
366MHz 5.5/
66.6
20.80 0-70 2.2
(2.2〜2.3)
3.3
(3.135〜3.6)
930万 81 0.25
380MHz 4.0/
95
21.60 0-70 2.2
(2.2〜2.3)
3.3
(3.135〜3.6)
930万 81 0.25
400MHz 4.0/
100
22.70 0-60 2.2
(2.2〜2.3)
3.3
(3.135〜3.6)
930万 81 0.25
16.90 0-70 2.2
(2.2〜2.3)
3.3
(3.135〜3.6)
930万 81? 0.25?
450MHz 4.5/
100
28.40 0-65 2.4
(2.3〜2.5)
3.3
(3.135〜3.6)
930万 81 0.25
18.80 0-65 2.2
(2.2〜2.3)
3.3
(3.135〜3.6)
930万 81? 0.25?
475MHz 5.0/
100
29.60 0-65 2.4
(2.3〜2.5)
3.3
(3.135〜3.6)
930万 81 0.25
19.80 0-65 2.2
(2.2〜2.3)
3.3
(3.135〜3.6)
930万 81 0.25?
500MHz 5.0/
100
20.75 0-65 2.2
(2.2〜2.3)
3.3
(3.135〜3.6)
930万 81? 0.25?

参照DataSheet:21850c.pdf,21850e.pdf,21850.pdf ('99.04.06up)

dot_5.gif (999 バイト) 備考

 現時点('99.02時点)での最終版DataSheetは、21850e.pdf(英語版)で有る。
450MHz版が発表されれば更新されると思うが、K6-3(Sharptooth)が450MHzがスタートすること、そのK6-3の出荷が間近な点、そして400MHz版の動作温度が0-60℃に制限されている点を考慮するとすぐには出てこないかもしれない。
#対Celeronを考えると450オーバーは必要

 とにかく、400MHz版&オーバークロックで400以上で使っている人は、CPUの冷却に注意してほしい。60℃といえば、室温が高い状態で、負荷を掛ければ結構簡単に出てしまう温度で有る。

 一応、233MHz版は、DataSheet上には有るが、見掛けたことは無い。
多分、Celeronが266MHzからスタートだったため、出荷されなかったのかも知れない。

 また、仕様上に違いが見えないが、2種類のコアが有り、後半のコアには6倍設定(2.0倍設定=6.0倍になる)が有る。

 つい先日、AMDから’98後半に折角黒字化したものの、また赤字に転落すると発表が有った。
その原因は、IntelのCeleron低価格攻撃から値段を下げざるを得ないとAMDは言っているが、新コアに歩留まりの問題が出ていると一部のニュースでは報じている。
 AMDは必死に否定しているが、多分本当なのだろう。
否定も、やっと”配給量に問題が有る”として採用されなかったNEC等の大手にも採用された直後の報道だけに必死だろうなあ・・・

 dot_3.gif (394 バイト) 追記('99.03.01)

 早速更新せざるを得ませんでした。また、自分の予測が×というのを露呈しました。(笑)
今回のDataSheet 21850.pdfは、表面上前回の21850e.pdfに450MHz版を追加した格好になっています。 #なぜ後ろの記号が消えたか?は、気になりますが・・・・

 CORE 電圧が急遽upされたのは、やはり高クロックでの歩留まりの悪さに起因すると思われます。”2.4Vになりそうだ”と言うのは、本当に急だったみたいです。
#M/Bメーカー等が緊急対策会議を開いたとか・・・

 今度のDataSheetから233MHz版が消えました。

 ただ、消費電力の値が他の400MHz以下のものと傾向が違う点が気になります。
この数値は、どちらかと言うとK6-IIIと同じ傾向です。
 もしかするとK6-IIIと同じダイを使い、”K6-IIIの規格不良品(L2のみ不良)がK6-2 450MHzになる”との見方も出来そうですね。 #おっと大胆発言(笑)

 その内、出て来るCPU IDに注目しましょう。

 dot_3.gif (394 バイト) 追記('99.04.07)

 遂に475MHz版が発表された。AMDは「Pen2のクロックを越えた」と言っているみたいだが、事実上、Pen2の後継がPen3で現時点('99.04.08)で500MHz版が有ること、そしてK6-IIIが出ていることを考えれば、誰もがCeleron vs K6-2と思うだろう。#価格的にも性能的にも
 そして4ヶ月程度前倒しで投入されると言われるCeleron 466MHz版より先に475MHzを出せたことは素直に誉めたい。それが無理をしていたとしても・・・

  450,475MHz版の65℃も、消費電力が多いため、室温が高い状態で、負荷を掛ければ結構簡単に出てしまう温度で有る。たとえ定格で使用するにしろ注意が必要だと思う。

 dot_3.gif (394 バイト) 追記('99.09.04)

 P5バス最高の500MHz版が発表された。それと400,450,475MHzの2.2V版も追加された。
大幅に発熱量は低下しているが、動作温度には変化が無い。
当然購入するなら新しい方が良いと思う、購入時には注意が必要。

  しかし、K6-IIIの項目に書いたが、製造ラインのトラブルは予想以上に大きかったみたいだ。
2月頃に有った50%近くのシェアは、配給量不足による大手メーカ優先方針,Celeronの低価格化により多くのベンダーが離脱、第2Qの成績は酷かった・・・
 AMD自体の決算も大幅な赤字と見るべきものが無い。
Athlon Select(Athlonの低価格版)が出るまでk6-2,K6-IIIで頑張らねばならない。
逆に言えば、Athlon Selectが出た時点でSocket7の終焉が出る。
Celeronの高クロック化に付いて行くことが出来るかどうかが鍵かな?

内容に戻る


K6−III

dot_5.gif (999 バイト) 簡単な説明

 AMD社が、K6-2をベースにBSB(バック・サイド・バス:CPUから専用バス)接続にて同周波数動作するL2キャッシュ(256KB)をオンチップにて追加したCPU。
 M/B側に有る従来のL2キャッシュはL3キャッシュとして動作させるらしい。

 漏れ聞く話では、同一クロック動作のPentiumIIIより速いと言われているが、コア自身はK6-2とほぼ同じと考えられているため、整数演算はかなり上かも知れないが、多分浮動小数点は劣るのではないか?と思われる。

 ただ、Socket7の泣き所で有ったFSB接続のL2キャッシュがBSBに移動した&速度が4倍になったのは、性能向上に大きく貢献すると思われる。
#整数演算がK6より劣るはずのPen2が体感上速いのは、BSB接続のL2キャッシュのおかげ
#と想像している。

dot_5.gif (999 バイト) 種類と仕様

  公式(?)
倍率/FSB
最大消費
電力(W)
動作温度
(℃)
CORE電圧
[Vcc2] (V)
I/O電圧
[Vcc3] (V)
トランジ
スタ数
ダイ
サイズ
(平方mm)
プロセス
(μm)
400MHz 4.0/
100
26.80 0-65 2.4
(2.3〜2.5)
3.3
(3.135〜3.6)
2130万 118 0.25?
18.10 0-70 2.2
(2.1〜2.3)
3.3
(3.135〜3.6)
2130万 118? 0.25?
450MHz 4.5/
100
29.50 0-65 2.4
(2.3〜2.5)
3.3
(3.135〜3.6)
2130万 118 0.25?
20.20 0-65 2.2
(2.1〜2.3)
3.3
(3.135〜3.6)
2130万 118? 0.25?

参照DataSheet:21918.pd

dot_5.gif (999 バイト) 備考

 DataSheet上では、K6-2の新コアと同じ6倍設定まで有るのは確認出来た。
L2キャッシュが、CPUのクロックとFSBのクロックとの速度差を埋めるためのものと考えれば、FSB=66.6MHzのPCでも交換の効果は絶大と推測している。

 問題は、BIOS対応が必要とのことで、CPU内のL2キャッシュが初期状態でON or OFFなのか?、外部信号で切り替えれるのかどうか?が焦点で有る。
ライトアロケート機能みたいに最初OFFでソフトで切り替えれれば良いのだけど・・・

 それと、現時点('99.02.23発表時点)では、450MHz版はサンプル出荷に止まるらしい。

 しかし、想像していたとはいえ、この消費電力は異常の領域に入ると思う。
#Pen2初期のKlamathコアより低いが、向こうは大型のCPUクーラーが実装出来た。

 悪名高きK6(モデル6)より発熱が多い上に、それが2.4V(K6(モデル6)は3.2V)で発生するのでは、生半可なCPUクーラーでは冷却系に不安を残すし、電源を供給するM/Bや電源側の電力配給性能にも左右されそうで有る。夏場になってフリーズ騒ぎが起こらねば良いが・・・

 ところで、K6-2のトランジスタ数,ダイサイズと比べてほしい。
トランジスタ数が倍以上になったにも関わらず、ダイサイズは倍にはなっていない。
公式発表では、プロセスは0.25μmとのことだが、もしかするとPen2,Celeronでも噂されている0.22μmプロセスかも知れない。
 もしそうだとすると、K6-IIIの配給が少ないとの噂と、コスト対策のため取ったK6-2の改良が逆に歩留まりの悪化を招いたと噂されている件もプロセスの変更で、それがうまくいっていないとすれば話が繋がる。
 疑り出せば、先日発表されたGatewayのAMDプロセッサの採用が1999年第2四半期からと言うのも関連が有るかもしれない。

 つまり、正常に生産出来ない状態と推測される。あくまでも想像の域を出ないけど・・・

 dot_3.gif (394 バイト) 追記('99.10.21)

 K6-2に低消費電力版が出た時点でいずれ出るとは思っていたが、9月にK6-2のDataSheetは更新されたもののK6-IIIの方はかなり遅れた。(更新の正確な日は不明だが、”Oct”=10月になっている)

 これで”やっと”ゲタを使わなくてもMVR-MX2だけでCPU交換が出来そうなレベルになったと思っている。>Xv20W30

 また、各種記事を参考にすると、結局K6-IIIはメーカーに受け入れられなかったみたいだ。
この先K6-IIIがどうなるかは不明だが、もしかするとCu0.18μmプロセス版は出ないかも知れない。

内容に戻る

「こだわりのPC工房」 HomePage に戻る