CPUの高倍率(4.0倍以上)の設定が出来る様にする

MTC−40001改造事例      最終更新日 : 1998/05/20.   by m-kamiya


注意! かなり細かい作業になりますので、自信の無い方は見るだけにしてください。

     また、お約束ですが、生じた損害は自己責任にてお願いします。

     これが重要ですが、PC−9821でも「末尾が”/W**”」(俗に言うW型番)
     &「V***」(自分では検証未)以外は特殊なゲタが無いと、
K6への換装
    は出来ません。ご注意を!

       (詳細は、リンク先の「どるこむ」過去ログ中に沢山有ります。(^^;))


内容(目次)

   発端は?

   具体方法の検討

   倍率(ピン)の設定は?

   改造方法&結果


発端は?

   ことの発端は、’97,12に手に入れたK6−233の一部のロットに”266MHz
   (4.0倍)で動くロットが存在する。”との情報を入手(笑)
   ’97,12の初旬に出荷されたものだそうで、入手時期からも”もしかして・・・・”の
   期待が有ります。

   しかし、MyPC(Xv20/W30)のCPU倍率設定は、1.5〜3.0倍(3.5倍は
   1.5倍と同じ設定)を
二本のショートピンにて設定となっています。
   これでは、自分のK6に4.0倍が有るか?が解りませんし、今後出てくるはずの正
   式なK6−266すら設定出来ません。

   AT互換機用のM/Bを見れば、最近のやつはどれも設定が出来る。
   同じSocket7、どこかの+1カ所のピンの設定を出来る様にすれば・・・・・・

内容に戻る

具体方法の検討

    考えられる手法とメリット,デメリットを上げます。参考にしてください。
    私の場合は、自分のPC(W型番)※1と下記の点を考慮した上で、MTC−400
   01の改造にしました。

     電圧&倍率変更ゲタ

       現在色々なゲタが発売されています。ただし、高倍率設定,CORE電圧の
      変更設定可能かどうかの確認をしてください。

       メリット
       ・市販品のみの組み合わせで行える。(改造不要)
       ・CPU電圧配給が別電源から出来る。(M/Bに頼らない)
       ・CPU電圧変更(CORE電圧)が出来るものも有る。

       デメリット
       ・M/Bの部品配置,ゲタの形状によっては付かない可能性が有る。
       ・ゲタの部品配置,形状によって、CPUクーラーが付かない&制約が有る。
       ・有名な山洋のクーラー等、Socket7用の金具が使えない。
       ・最近、CPU付きも出て来て、他の方式に比べ費用が掛かる。

     倍率変更ゲタ(MTC−40001)

       名前のごとく倍率以外の変更は出来ない単純なゲタです。
      私が知っている範囲では、MTC−40001(メルコ製MTCブランド)しか有りま
      せんので、ここでは本製品の説明をします。

       メリット
       ・比較的安価で入手がしやすい。(店先で”メルコの・・・”で入手出来る。)
       ・同じMTCブランドに山洋のファン+取付け金具付きの
MTCL−Sが有る。
       ・改造に失敗しても、ゲタがダメになるだけ。(当然、実装前に検査要)

       デメリット
       ・1.5〜3.0倍の設定しかない。(要は改造が必要)
       ・CPUの電圧配給は、M/Bから配給。※2

     M/Bを直接改造

       M/Bに直接ジャンパーをして、改造をする。

       メリット
       ・一番安価。
       ・現在使用中&豊富なCPUクーラーが使える。

       デメリット
       ・M/Bを直接改造のため、ダメにした時は・・・。
        (CPUを換える時点で保証は受けられませんがね。(笑))
       ・CPUの電圧配給は、M/Bから配給。※2

 

      ※1:W型番のPCは、P54Cが実装されているにも関わらず、デュアルボルテ
         ージ対応になっており、VRMソケットにMVR−MX2改を実装することに
         より、CPUのCORE電圧が変更出来る。

      ※2:現在は、K6にも低電力消費型の「モデル7」が有りますが、検討時の「モ
         デル6」では、9Aぐらいの電流が必要で有り、他の増設機器との関係で、
         最悪別電源の増設を考えていた。

内容に戻る

倍率(ピン)の設定は?

     口では説明しにくいので下記に資料の入手先を示します。
    この資料の「ピン接続図」のBF0(33Y),BF1(34X),BF2(35W)が設定ピン
    です。”めんどくさい”て人は、改造後を見てください。

         AMD-K6(R)プロセッサ 新製品速報版
          製品名 資料番号 PDF
          AMD-K6(R)プロセッサ新製品速報版 MS-0536/6/97  102K

         ※本資料は、「日本語」で書かれています。(^^v)

           本家の何百てページの資料(もちろん英語)より良いと思います。

     本資料を読む場合、Acrobat Readerが必要になりますが、技術系の資料は、この
    形式(*.PDF)が多いので、一度インストールしておくと有用ですね。
    上記HPに落とすためのリンク先が有ります。

     倍率設定は、下記の表の様になります。
    
この場合の”ON”は、各BF*と「Vss」をショート(接続),「OFF」はオープン(接続な
    し)となります。

      K6は、BF0〜2がプルアップ方式[接続なしで信号on]ですので、普通に言われる倍
    率設定表の”0”は、下記表では”ON”,”1”=”OFF”となります。
注意!

     ちなみに、P54Cはプルダウン方式,P55Cでは、BF0がプルダウン,BF1がプルア
    ップみたいです。MTC−40001自体は、BF0,1をVssへ接続,未接続にするかの設
    定だけなので、理屈だけでは各CPUを載せることが出来ないはずなのですが、実際には
    MyPCでは、P54C,P55C,K6が動きます。

     AT機のM/Bでも、CPUによって設定を変えるとは聞かないので、多分、AT機同様、
    W型番のM/Bの回路に工夫が有るのではないか?と思っています。

 

倍率設定

倍率

2.0倍

2.5倍

3.0倍

3.5倍

4.0倍

4.5倍

5.0倍

5.5倍

BF0

ON(0)

ON(0)

OFF(1)

OFF(1)

ON(0)

ON(0)

OFF(1)

OFF(1)

BF1

OFF(1)

ON(0)

ON(0)

OFF(1)

OFF(1)

ON(0)

ON(0)

OFF(1)

BF2

OFF(1)

OFF(1)

OFF(1)

OFF(1)

ON(0)

ON(0)

ON(0)

ON(0)

 

内容に戻る

改造方法&結果

     本当は、改造方法を画像にした方が良かったのですが、当時デジカメを持っていな
    
くて、改造後の画像と文での説明になってしまいました。(m(_)m)

     改造方法

     細いリード線(0.5mm以下)が有れば、直接配線をしてもかまいません。
     (ケースの四隅に高さ0.5mmの突起が有りますから)
     ただし、
他のピンにハンダが付着した場合、接触不良になる可能性が有りますので
     自信が無ければ、下記の様に分解してから作業をする方が良いと思います。

     私の場合は自信が無い上に、浮き上がりが怖かったため、ケースを加工しました。

 

     1.MTC−40001の四方のツメ(画像1)を広げながら、上下二分割(画像2の真ん
       中の線にて)に分けます。

       この際、各ピンは上下のケースに固定されていないため、勢いよくやってしまうと
       
ピンを飛散させてしまいます。(自分はやってしまいました・・・・)

       必ず無くさない様にしましょう。

       分解が終わったら配線作業になりますが、ケースを加工する際はここで行います
       。私の場合は、温度センサーをCPUの裏側に付けたかったため、その線を通す
       ためのミゾを掘りました。(画像1の左側)

    

             画像1                         画像2

     2.BF2のピンのみを下側のケースに入れ、リード線をピンに巻き付ける様に仮配
       線します。(からげ配線)
       巻き付け後、余分な線は切断し、巻き付けた部分を穴に押し込みます。

     3.ピンをハンダごてで暖めながら、ハンダを流します。
       ハンダ付け後、ピンを切断します。

     4.もう一端のリード線を側面に有るジャンパースイッチの6番の座にハンダ付けをし
       ます。(画像3,4)
         ※画像4の上側からCPUの裏側へ付いているのが、温度計です。

   

  画像3(ピン配列はCPU取り付け面から見た状態です。) 画像4(ピン番号は、手前から6,5〜1の順番です。

     4.ケースを元通り組立ます。

     5.ここで、もし貴行が「4.0倍」(又は「5.5倍」)しか使わないのなら作業は終了
       です。(2−3,5−6のショートで「4.0倍」、5−6のショートで「5.5倍」)
       まあ、あり得ないと思います(^^)ので次の作業に行きます。

     6.ジャンパースイッチの座にリード線をハンダ付けし、もう片端をディップスイッチに
       配線します。この際、3番ピン,5番ピンが「Vss」になりますので、2−3(or 5),
       4−3(or 5),6−3(or 5)がスイッチでON/OFF出来る様に配線します。

 

    これで完了です。念のため、テスターで各ピンが短絡してないか、又は、スイッチが正常
    に動作するか確認しましょう。

    ここで、倍率設定と各ピンの関係を整理しておきます。

 

ピン番号

2.0倍

2.5倍

3.0倍

3.5倍

4.0倍

4.5倍

5.0倍

5.5倍

BF0

2=3 or 5

ON

ON

OFF

OFF

ON

ON

OFF

OFF

BF1

4=3 or 5

OFF

ON

ON

OFF

OFF

ON

ON

OFF

BF2

6=3 or 5

OFF

OFF

OFF

OFF

ON

ON

ON

ON

内容に戻る


「こだわりのPC工房」 HomePage に戻る