品名:PC−9821 Xv20/W30
1997.07に発表された「PC−9821 X−MATE」シリーズの一台。
デスクトップ型のXa**/W**と、ミニタワー型のXv**/W**が有り、
「Oh!PC」,「どるこむ」等では、”W型番”と呼ばれ、PC−98シリーズの中で
は、抜群の拡張性,発展性を持つ。(他の人からお叱りが来るかな・・・・(笑))
最終的には、ほぼ1年の間、価格改定のみで販売され、その後、P55Cを採用
した「V***」のバリュースターが出たが、本PCの拡張性を越えた仕様は無く、
その後(’98,09)の「PC−98→PC98−NX」の発表となった。
−− 独り言・・・ −−
発表当時、車の購入を4月にしたばかりで、完全な金欠状態だったが、我慢出来
ず(笑)、店を徘徊し、年末ボーナス一括払いで’97,09,20に購入した。
当時、定価で62万円を42万円で購入。
(年末に価格見直しでお金を払う前に、売価の方が安くなった記憶が・・・・(;_;))
CPU:「Pentium200MHz」(P54C−200)
デュアルボルテージ対応Socket7+VRMソケット
チップセット:ノースブリッジ 430HX[※1](通称:Triton2)
サウスブリッジ スターアルファ2
メモリー:EDO−DRAM(ECC付) MAX:256MB
グラフィックボード:Millennium4MB
PCI×3(フル),Cバス×4
5インチベイ×3,3.5インチベイ×2
Intel 82557イーサネットコントローラーをOnボードで搭載
※1:インテル製のチップセット。後に出た430VX,430TXみたいに、64M
B以上のメモリー搭載時の2ndキャッシュ無効となる容量制限(TAGR
AMの容量次第)が無い。
下記に購入構成のHDBench結果を上げておきます。
★ ★ ★ HDBENCH Ver 2.292 ★ ★ ★ 使用機種 Processor Pentium 解像度 1024×768 65536色 Display PC-9821 Xv13/20 (Matrox) Memory 96,676Kbyte OS Windows 95 4.0 (Build: 950) Date 1997/ 8/ 3 SCSI = NCR 815XS PCI SCSI Host Adapter HDC = スタンダード IDE ハード ディスク コントローラ ABC = GENERIC IDE DISK TYPE00 D = GENERIC NEC FLOPPY DISK E = OLYMPUS MOS331 Rev 1.10 F = SONY CD-ROM CDU311-NE Rev 3.0i ALL 浮 整 矩 円 Text Scroll DD Read Write Cache Drive 9199 11105 12281 23150 9271 9349 70 14 3303 3741 10525 A:10MB |
数値だけを見れば、かなりの数値が出ています。
しかし、HDDのRead,Writeの数値が低すぎます。
よくPowerUpと言うと、CPUに目が行きがちですが、W型番に限らず「PC−9
8」の場合、HDDの速度改善が重要と私は思います。
これは、M/Bの問題ですので、次項の中で説明します。
一般的にPC(AT機の場合)のPowerUpとしては、下記の項目が有ります。
1.CPUの交換
2.M/Bの交換(BIOSの変更)
3.グラフィックボードの交換
4.高速HDDへの交換
この中で一番性能Upは少ないが一番重要なのは、2項「M/Bの交換」および
「BIOSの変更」です。”何故か?”と言えば、M/BおよびBIOSが対応していな
ければ1,3,4項の交換は、”出来ない”か”性能が出ない”ことになるからです。
M/Bの交換およびBIOSの変更が出来ないPC−98の弱点はここになります。
(独自仕様含む)
とりあえず、現状のM/Bの検証をします。
下記は、I−Oデータの「PCI INFO」と言うプログラムで調べた結果です。
測定日:'97,08,31 (PC_BIOS:Ver
0.06) PCIINFO.EXE Ver1.02 Copyright (C) 1997 I-O DATA DEVICE,INC. PCIバス リビジョン:2.00 メカニズム:#1 ベンダーID:8086 ベンダー:Intel デバイスID:1250 チップ :82439HX Triton2 IRQ:なし 分類 :ホストブリッジ ベンダーID:1033 ベンダー:NEC デバイスID:002C チップ :unknown IRQ:なし 分類 :その他のブリッジデバイス |
注目点の色を換えました。
BIOS:Ver 0.06
別項でも述べていますが、とりあえずかなりのCPUは動いてくれてます。
PCIバスのリビジョンが「2.0」
最新のPCIバスのリビジョンは「2.1」です。本当ならノースブリッジに使わ
れている430HXは「2.1」に対応しているはずなのですが、残念ながらBIO
Sが対応してないみたいですね。
(「2.1」から各PCIデバイスの優先度を変更出来る様になり、133MB/秒
しか無いPCIの転送帯域を有効に使うために設定された。)
そのため、連続&転送速度がほしい”キャプチャーボード”等などが使えない
ことになります。また、グラフィックボードにも影響が出ると言われています。
(グラフィックボードの場合は、転送速度の前にPC−98独自仕様の部分で
使えないボードが多い。)
あくまでも想像ですが、PC−98用のUltra2−SCSI(80MB/s)のボー
ドは、”発売されない”か、”性能が出ない”ことになるでしょう。(;_;)
ベンダー:NECチップ
これが、サウスブリッジ スターアルファ2ですね。独自仕様のCバス&内蔵
HDDのコントロールをしています。
PC−98のHDDの遅さ&CPU占有率の多さは、このチップが原因で、E−
IDE仕様なのに、PIO−2(CPU転送方式)の転送方式までしか対応しておら
ず、このPCの発売時期にAT機が使えたPIO−4(バスマスタ方式)すら対応
していません。つまり、HDDの性能を引き出すことが出来ないばかりか、CPU
の占有率が高く、マルチタスク処理が出来るWin95の足を引っ張っています。
かなり回りくどい説明になりましたが、今後のPowerUpや拡張ボードを選ぶ際に
必要な項目です。全文覚えろとは言いませんが、頭の片隅にでも残していただけ
れば幸いです。