色鮮やか金魚の初市


弥富 威勢良く競り声響く 


 種類の豊富さと売上高日本一で知られる金魚の産地、愛知県海部郡弥富町で十四日、金魚の初市があり、会場の東海観賞魚卸売市場=同町平島新田=では威勢のいい競り声が飛び交った。      
 初競りには、地元や奈良県、三重県などの卸業者約四十人が参加。市場の池には、木枠の底に網を張った「かんこ」と呼ばれる競り用の道具が浮かび、かんこの中のランチュウやリュウキン、オランダシシガシラなど色鮮やかな十数種類が競りに掛けられた。
 卸業者は次々と流れてくるかんこの中の金魚を瞬時に品定め。「川」「月」「天」などと値段を示す独特の符丁を叫び、競り落とした。初市の競り値は一匹五円前後から二万円程度で、平年よりやや高め。
 競り市は四月から本格化し、九月まで弥富町内三つの卸売市場で毎週開かれる。

            中日新聞(夕刊) 98/01/14 (水) 【14】 掲載記事

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