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虹色ビジネスサプリ <失敗は成功のもと> |
◆味わってわかる塩の辛さ
体験を通して、はじめてその本質をつかみ理解できることが、世の中には少なくない。よく「百聞は一見にしかず」といいま
す。あることやあるものについて、人から百回話を聞くよりも、一回そのものを実際に見たほうがよくわかるというほどの意
味でしょう。確かにその通りだと思いますが、世の中にはいくらそのものを見たからといっても、その本質を簡単にはつかめ
ないといった場合もあります。例えば、塩を見れば、”ああ塩というのは白いもので、こんな感じのものだ”ということはわ
かります。しかし、塩の辛さといったものは、いくら頭で考えたり、目で見たりしてもわかるものではないでしょう。まず、
自分で一口なめてみる。頭で考えるのではなく、自ら味わってみてはじめて塩というものがわかる。そのように体験を通して
はじめてものの本質をつかみ、理解することができるという場合が、世の中には少なくありません。いわば”百聞百見は一験
にしかず”ということも、ある場合にはいえると思うのです。
私たちは、「知っている」ことに価値をおくケースが結構あります。試験の成績がいいことをはじめ、クイズ番組等で素早く
答えている人を見ると、「この人はよく知ってるねー!?」などと感心したりします。しかし、例えば、では、その場所に行
ったことがあるか? それを、体験したことはあるか? というとそうでもなかったりします。つまり、情報として見たこと
はあって「よく、知っている」けれども、それを、体験したことも味わったこともなかったりするのです。よく、「わかった
気になるな!」と注意されることがありますが、その人にとっては、「知っていること」が「わかったこと」になっているの
でしょう。これは、試験やクイズの世界ではいいかもしれませんが、仕事や人生となると話は変わってきます。「痛い」とい
うことは知っていても、その「痛さ」を経験していない「楽しい」ということは知っていても、その「楽しさ」は味わったこ
とがないこういうことは結構あるかもしれません。
しかし、そういう生き方では、その人生は深まっていきませんし、そういう付き合い方では、関係は豊かになっていかないで
しょう。結局は、自分で体験し、自分で味わってみて初めてわかるものです。人生が豊かになるには、そういった体験の積み
重ねが必要です。体験してみて初めてその「本質」に迫るきっかけができるのです。そして、そこから、本当の探求が始まる
のです。さらに言うなら、塩をなめたことはあっても、どの塩も同じ辛さではありません。似たような塩でも、それはまた別
のものです。そのように考えると、「体験」すべきことはまだまだたくさんあります。ひょっとすると、自分は、本当の世界
の万分の一も知らないのかもしれません。一日一日の体験は、「一期一会」です。昨日と似ている今日であっても、そこには、
違った味わいがあるでしょう。その体験の一つひとつの積み重ねが、「人生の豊かさ」になっていきます。日々やることが
「成功か失敗か」を心配するよりも、今日も「ひとつ体験ができたこと」を喜び、本当の財産として積み上げていきたいもの
です。
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