NO.BIZ02-01 |
虹色ビジネスサプリ <三日坊主> |
「一度決めたことは最後までやり通せ」と言われたことはありませんか? 目的や目標を定めたら強く心に誓い、行動を起こ
そうとします。ただ、強い意思を持ち続け、目的や目標に向かって一直線に突き進んでいける人は、実はそんなにいません。
「三日坊主」とはよく言ったもので、3日もすると強く決心したはずと思い込んでいた目標も散漫になり、日常の生活に戻っ
てしまったりします。そして反省や後悔を繰り返していきます。しかし、それは不思議なことではなく、人として自然なこと
です。生きる、働く上で設定する目的や目標に絶対的な正解はありません。企業風土改革の仕事などを通して私はたくさんの
人と対話してきましたが、「目的(または目標)を決めたはいいが、本当にこれで良かったのか」と感じながら前に進んでいる
人ばかりです。ですから、目的や目標を決めた後、悩み、諦めそうになり、休憩を入れ、時に後ずさりしながら、少しずつ前
に進んでいくのです。これは決しておかしなことではありません。
このように、人は常にゆらいでいます。正しく決めようとはせず、「仮決め」で前に進み、「ゆらぎ」を受け入れていくこと
で無理なく進化していけるのです。あくまで「仮決め」なので、思った通りに進まず、「あれ?ちょっと違うぞ?」と感じて
も、修正すればいい。時には大胆に変えてもいい。前に進みながら方向やゴールが修正されていくことを前もって許容してお
くのです。実際、想定通りにうまく進むことの方が少ないことは多くの人が実感としてわかるでしょうから、ゆらぎを前提と
するほうが効率的なのです。いつか過去を振り返った時、ゆらぎながらも前に進んできた道のりには、進化の軌跡が見えてい
るはずです。人の進化(変化や成長)は「ゆらぎ」から生まれるのです。
悩むことで人は成長し、成長し続ける人は常にゆらいでいます。組織や責任が大きくなるほど、ゆらぎの振れ幅も大きくなり
ます。自ら決めた目標とは言っても、決めた通りにやり続けられる強さを持つ人は稀で、常にゆらいでいます。他人を変えた
いと思ったら相手の中に「ゆらぎ」を起こして「進化の土台」のエンジンをかければいいのですが、そのためには、まず相手
が安心してゆらぐことができる環境を整えてあげることが必要となってきます。
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