NO.BIZ03-01 |
虹色ビジネスサプリ <覚悟を決める/自分を磨く> |
◆本当の実力とは
社会人になっても勉強は大切だと思います。ビジネスの世界での確実性を求めて、ビジネス書やマニュアル本を手に取った
人は多いと思います。いい成績・評価、いい仕事、いいキャリアを確実なものにしたいからだと思います。ただ、勉強で得
た知識を自分の実力だと勘違いしてはいけません。本当の実力とは、必要が生じた時に、すぐさま身体全体で反応できるこ
とです。ものごとを頭で判断すると同時に、身体も動くこと。そのレベルまで達してこそ、知識は実力につながるのです。
何から手をつけていいかわからない時には、いわゆるマニュアル本は役立ちますが、それに頼っている限りは、本当の実力
になりません。マニュアルとは、他人のアイデアや経験をまとめて文章化したものです。ですから本当は、もっといいやり
方があるかもしれないし、自分なりに工夫できるかもしれない。ところが知識=実力だと考えている人は、マニュアルを信
じて、書かれている通りにやらなければ、不正解だと思い込んでしまいます。こうなると応用が利かず、実際の問題に対し
ては、ほとんど役に立ちません。知識は知識として理解したうえで、それらをどう使うか。どう問題に取り組んでいくかを
自分自身に問い続ける。そうしてこそ、知識が実力(智慧)となるのです。そうやって苦労した末に見つけた自分なりのや
り方は、絶対に消えません。これはマニュアル本に限らず、私たちは、知識、あるいは情報というものに頼りすぎる傾向が
あります。貴重な知識かもしれませんが、大切なのは、それをもとに自分の頭で考え、行動することではないでしょうか。
実力を身につけるには、行動すること、経験すること、これ以外にありません。物事は、聞いて覚えて、見て覚えて、読ん
で覚えて、書いて覚えて、覚えて覚えて…の連続です。つまり、繰り返し試し経験を重ねる中で自然に身についていくもの
です。最初は失敗もあるでしょう。しかし、失敗は宝物です。失敗した原因は、本人が一番わかっているはずです。そこを
修正すれば次はうまくいく可能性が高まるのですから、失敗は絶対に無駄にならない。むしろ貴重な経験です。
失敗を恐れずに、行動を重ねることで知識を身体に染み込ませていく。それが本物の実力なのです。
だからこそ、このサプリメントは「安易な答えを提供すること」はしません。(たいていの自己啓発書やビジネス書の役割
はこれなんだけど)。実力を身につけるというのは非合理な作業です。最短距離で行ける、お手軽な、しかも簡単に導き出
せる答えなどどこにもありません。「答え」ではなく、自分に問いかけるべき「質問」を探してほしいのです。
◆仕事に自分のこだわりは必要か
禅では「生死」(しょうじ)といって、生きることと死ぬことを、表裏一体でとらえます。だから、自分がどのようにこの
世を去っていきたいかと考えると、「どのように生きなければいけないのか」ということが、必然的に浮かび上がってくる。
自分がこの世を去る時に、少なくとも、「あいつがいなくなってせいせいしたね」とは言われたくないですよね。人から惜
しまれるだけでなく、「ああ、いい人生が送れたな」と自分でも納得できるようにするには、どのように振る舞っていけば
いいのか。それを突き詰めた先に、自分のこだわりというものが見えてくるのではないではないでしょうか。
こだわることと、執着することは違います。ここで言うこだわりとは、自分自身を高めていくということ。あるいは、生き
ていくことへのありがたみ、さらには生きている証をどのように表現していくか、ということに他なりません。その表現の
1つが仕事です。
人からの助言には耳を傾け、どんどん取り入れていけばいいのですが、無条件に流されてはいけない。自分の哲学を通して、
納得がいかなければ、自分の生き様を大事にする。それが仕事にこだわるということだと思います。
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