NO.BIZ03-12 |
虹色ビジネスサプリ <覚悟を決める/自分を磨く> |
◆マネジャーの「権限」は「権力」ではない
マネジャーを育てるうえで大切なのは、「権限」と「権力」は違うということを、しっかりと理解させることだと思ってい
ます。マネジャーというと、それだけで「人の上に立つ偉い人」などと勘違いする人がいますが、そんなことは全然なくて、
営業の仕事がある、技術開発の仕事がある、事務の仕事があるのと同様、マネジメントという仕事がある。それだけの話で
すから、責任の違いはあるにしろ他の仕事と同様、それぞれが会社の中の機能です。ただし、マネジメントは、会社全体、
社員全体の関わる仕事内容であるため、必然的に他の仕事よりも「権限」が与えられます。他の仕事よりも、機能や権限の
範囲が広いということです。
この「権限」がくせ者で、「権限」を得たとたんに「権力」までも手に入れたかのように錯覚する人が多いのです。だから
マネジャーの教育においては、両者はまったく違うことをきちんと理解させなければなりません。機能を果たすために権限
が与えられており、その見返りとして報酬と責任が課せられているのです。
マネジャーは、マーケティングやイノベーションの視点を取り入れながら、事業を定義したり、ヒト、モノ、カネなどの資
源を最適に配分していかなければなりません。ヒトやカネをコントロールすることになりますから、正しいマネジメント教
育をされた人がマネジャーにならなければ、自分に多めに給与をつける、お気に入りの人を出世させるなど、自分に都合の
いいように改編してしまうことが起こり得るのです。私利私欲に目がくらんでしまうと、誤った方向に突っ走ってしまうこ
とはよくあることです。でも、そうではなくて、マネジャーの役割は、あくまでもお客様や社会など外部の視点ありきで、
一人ひとりの社員が最大のパフォーマンスを出すにはどうすればいいのかを考えることにあります。
このことをしっかり自覚させるためにも、「権限」はあれど「権力」を保持できるわけではないということを、あらかじめ
教育しておく必要があると思います。
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