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| NO.BIZ03-13 | 虹色ビジネスサプリ <覚悟を決める/自分を磨く> |   ◆「やる気」に相談してはいけない何事であれ、「やりたくないな」と思う時があるもです。人間、365日が、すべて快調で気分がいいとは限りません。連
 休明けに「会社、行きたくないなあ」とか、片づけなければならない仕事があるのに、どうしても着手できないなど…こん
 な経験を誰もが持っているでしょう。今しなければならないことを先延ばしにする。その時は大したことがないように思え
 ても、長い目で見ると、これは自身にとって大変な損失です。
 先延ばしの名人がよく口にする言葉が「やる気」である。「今はちょっと、やる気が起きないもんで。やる気になればすぐ
 片付いちゃいますから」
 私のやり方は逆です。自分のやる気にはほとんど期待しない。やる気くらいあてにならないものはないと心得ているからで
 す。そんなものに頼っていたら、時間がいくらあっても足りない。物事がずるずる引き延ばされるだけである。しなければ
 ならないことは、何も考えずにさっさと始める。この「始める」ということが大切であると考えます。物事をすいすいとや
 りこなして涼しい顔をしている人間は、この辺のことをよく知っていて、やる気などに関係なく始めています。やる気に相
 談すると十中八九「今はまだ」と言う。
 このことに早く気がつくべきです。「何よりも肝心なことは、思い切ってやり始めることである。仕事の机に座って、心を
 仕事に向けるという決心が結局一番難しいことなのだ」スイスの哲学者カール・ヒルティはこういっているが、まったくそ
 の通りである。仕事でもなんでも、始めてしまえば、自然にやる気が起きてきます。
 やる気を待っていると、どうしたって着手が遅くなる。切羽詰まってからでは、良い仕事はできない。気分もよくない。次
 もまたやりたくなくなる。こんな悪循環に陥らないようにしないといけない。社会に出てからの仕事というのは、一つひと
 つはそんなに難しいものではありません。倦まず弛まずコツコツ続けていれば誰もが一定の成果をあげられます。ウサギと
 亀のたとえ話で言えば、社会のシステムとはおおむねカメ仕様にできているもの。普通の能力の持ち主が、普通に取り組め
 ば、大概のことはやりおおせます。何をやってもうまくいかない人間は、能力がないのではなく、怠けているのです。だが、
 この「怠けている」という自覚のない人が少なくない。そういう人間が決まって言うのが「やる気が起きない」ということ
 です。「やる気」というのは感情の領域のものだ。人の感情くらい正直な物はない。同時に、感情くらい当人の足を引っ張
 るものもない。試しに一日でいいから、自分の感情のままに生きてみてください。感情の赴くままにしゃべり、感情の赴く
 ままに行動してみてください。おそらく、あなたは信用を失い、仕事を失い、下手すれば警察に逮捕されるでしょう。それ
 くらい感情というものは手に余るものなのです。それを理性でコントロールしているから、私たちは社会人として生きてい
 けるのです。やる気に相談するとは、そんな領域に踏み込むことなのです。
 あなたは、松明(たいまつ)を持って、火薬庫の扉を叩きたいと思いますか。そう思わないのなら、たった今から、やる気
 に相談するのはやめることを提案します。それだけで、あなたの人生は、きっと良い方向へと変わっていくはずです。  |