NO.BIZ03-17 |
虹色ビジネスサプリ <覚悟を決める/自分を磨く> |
◆「わからない」という言葉で意見を否定する人たち
「わからない」という言葉は、I don’t know である。つまり、その知識を持っていない、あるいはその理屈を理解してい
ないという意味です。ここまではわかりますね? 子供のうちは、この言葉をだいたい言葉どおりで使っているのですが、
大人になるほど、違う意味になってしまうのです。それは「お前の意見には反対だ」という意味である。この意味で使われ
る「わからない」がものすごく多くなっていて、なかには意味の違いさえ意識していない人もいます。
あまり理系・文系という言葉を持ち出したくないけれど、僕が観察した範囲では、理系よりも文系の人の方が、この別の意
味の「わからない」を多用しているように思います。相手の意見を聞いた後、「お前の言っていることはさっぱりわからん」
と否定しているのです。もし本当にわからないのならば、相手にお願いをして、もっと説明を聞くはずですが、説明を求め
るどころか、もうその話はやめてくれという態度になるのです。どう考えても、これは「わかりたくない」という態度だ。
そして、なぜわかりたくないかと言えば、自分の意見と違うからであるし、違うということが「わかった」からにほかなら
ない。それなのに、「わからない」というのは、どうしてなのか? 僕にはそこがわからない(その態度を否定しているの
ではなく、その態度をとる理由を知りたいという意味)。
「理解できない」や「理解に苦しむ」というのは、使ってもよいだろう。「理解」という言葉の中に「信頼する」「賛成す
る」という意味が含まれているからだ。おそらく、文系の人は言葉の使用に長けているから、「わかる」にもこの意味を含
めているのだろう。そういえば「わかり合う」という言葉があって、これは明らかに「理解し合う」の意味だ。また「気持
ちがわかる」という言葉も同じかもしれない。
しかし、理系の人間にとっては、「気持ちがわかる」なんていう現象がそもそも理解できない。どうやったら気持ちがわか
るのか具体的な手法を示してもらいたいと思うだろう。それから、どんなものも、勉強したり教えてもらえればわかるとい
う認識を持っているか持っていないかに違いもあるようです。学校で数学を教えてもらったのに、それがわからなかったと
いう経験をすると、自分に向かないものは「わからない」ものだという判断をするようになるのです。そんなことも考えた
りもするが、はっきりとはわからない。「わからないことを言うね」というのも変である。その言葉を出す前に、まずわか
ろうとすべきではないか。わかったうえで反対をするならすれば良いのですが…。
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