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皆がうなずくときは疑ってかかれ
NO.BIZ03-19
虹色ビジネスサプリ <覚悟を決める/自分を磨く>

 ◆皆がうなずくときは疑ってかかれ

 あなたは、仕事をしているときに、「自分一人でやった方が早い!」と思うことはありませんか?「人に任せてもちゃんと  できないし」「どうせ後でチェックを入れないと心配だし」「できないくせに文句ばっかり言うし」と思って、一人でがん  ばってしまっている人は多いことでしょう。しかし、仕事能力からいうと、ここがひとつの試金石になっています。  そこそこ仕事ができるようになると、たいていこの問題にぶつかります。  あなたは、大丈夫ですか??  思い切って人に任せたり、仕事を振ることができなくて、自分で仕事を抱え込んでしまう人は結構多いです。逆に言うと、  一人で抱え込めるほど優秀でもあるわけですが、仕事ができてしまうことがあだになってしまっているのです。また、こう  いう人は、やり方にこだわる傾向にありますね。自分のやり方通りにやってくれないと気が済みません。いつの間にか、自  分のやり方が一番正しいと思いこんでしまうのですね。したがって、いくらアドバイスをしようとしても、ほとんど聞く耳  を持ちません。  結局、「自分でやった方がマシ!」という結論に達し、昨年と同じやり方で、今年もがんばっているのです。相変わらず、  忙しい毎日をより忙しくしています。毎年仕事のやり方が変わっていない人は要注意ですよ!残念ながら、実際は、こうい  う人が組織の発展を邪魔しています。仕事ができる故に邪魔になっているのです。しかし、本人は自分がガンであるとは露  とも思っていません。それどころか、自分一人がみんなの分も働いているのに、全然評価してもらえない!とたいてい文句  を言っています。この背景には、その人の「自己顕示欲」や「自己保身」があるのですが、実際はその人の考え方の限界が  仕事の限界となり、その人の望みとはほど遠い結果になっているのが現状です。  これは、仕事能力と言うより、「心の能力」の問題と言えます。能力の限界というより、「考え方の限界」が成果を限定し  ていると言えるでしょう。たとえば、「特定の結果を出さないと許せない」という完璧主義的な精神状態は「心の安心感の  限界」を現しています。どこまでも妥協しないで、成果を求める姿勢は大事です。また完璧でないと困るものもたくさんあ  るでしょう。  しかし、多くの完璧主義者は、自分の理想論に酔っているだけで、その実、苦手なことには消極的で勇気もなく、諦めが早  い傾向にあるものです。そのくせ、自分の評価が落ちるのを極端に嫌う傾向にあり、ミスを隠しているうちに、だんだん閉  鎖的な仕事の仕方をするようになっていったりします。  この「自分なりの完璧を求める心」あるいは、その裏返しとしての「自分の価値が下がるような失敗を恐れる心」は多かれ  少なかれ、誰でも持っているものでしょう。しかし、現実として、完璧でないことを認め、希望通りいかないことを受け入  れる心も、とても大事です。この心を養っておかないことには、毎日が失敗であり、不安で仕方なくなってしまいます。  仕事を人に任せること等はできなくなってしまいます。  でも、実際の仕事は、不完全な環境の中で行われています。人も物もお金も足りない。能力も不十分、情報も不十分。おま  けに時間もない。みんなそんな中で努力しているのです。現実は、それでも仕事はやっていけるのです。その現実をまず  受け入れることが必要です。もちろん、よりよいものを目指していかなければなりません。しかし、それは、現状の不足を  理由に責任逃れをしていいということではありません。  雨が降る日もあります。風邪をひくことだってあるでしょう。急にベテランが辞めてしまうということもあるでしょう。  それでも、その現実の中で成果を出していく。何とか工夫をしてできる方法を考え出していく。そんな姿勢が必要です。  仕事ができるようになると、要求水準が高くなるものです。自分にも、他人にも要求は厳しくなってきます。それが、現実  とのギャップを引き起こすのです。仕事ができるようになればこそ、このギャップを乗り越える智慧が必要になってきます  が、多くの方が、ここで躓いています。  その智慧のひとつが、「自立」の次に「相互依存」の世界があるという価値観の転換です。「相互依存」の世界とは、実力  のある個人同士が、「相依性」を発揮して、より付加価値の高いものを創造していく世界です。  「自立」の世界は、一歩間違えば単なる「ワガママな世界」になってしまいます。仕事ができるが故に、ワガママが通って  しまい、間違いやすい世界です。そこでの考え方のミスは、成長を止めてしまいます。「一人になってもやる!」という精  神は大事ですが、最初から「自分一人で手柄を立ててやる!」と思ったときは要注意です。また、できない人の仕事を全部  引き受けたところで、付加価値は増えていきません。  自分の能力をアピールすることだけに自己満足してしまわないことが大事です。次の段階である「個人の限界を超えるため  の相互依存の世界」があることを知っておいてください。  その世界へ入るためには、「自分の支え方」を大きく転換する必要があります。何でもできる世界から、「あなたでないと  できない世界」へ転換していく必要があります。そして、そのためには、あなたでなくてもできる仕事を、あなたより給料  の安い人に任せていかなければなりません。その人は、あなたの7割くらいしかできないでしょう。それでも、仕事を振る  ことができるかどうか。一時的に、自分の望む結果を出せないその現実に耐えられるかどうか。そんなものだと思えるかど  うか。そして、より付加価値の高い仕事にシフトできるかどうか。  この戦いに勝たないといけません。ほんとうの使命を果たすには、この世界で活躍する必要があるでしょう。    【名言】 「皆が賛成することはたいてい失敗し、反対することはたいてい成功する」                            ---- 鈴木 敏文  セブン&アイ・ホールディングス総帥
 

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