NO.JIN05-18 |
虹色人生サプリ <自分を変える> --- 2022/12 |
◆「自分を変える」ことはできるのか?
自分を変える方法・手段のひとつは本を読むことです。本によって新しい知識が増えるし、自分のこれまでの考え方に新しい
面を与えてくれます。そして何よりも、本を読むという行為自体が、他者理解という特別な体験を与えてくれます(このサプ
リもそのつもりで提供しています)。これらの体験が自分を確実に変えていきます。なぜならば、本を読むことで他者の意見
や考えを受け入れるということに慣れていき、知識を得ることによって世界を観る視点が今までとは別のところに広がってい
き、その結果として世界に新しい意味が次々と生まれ、それに呼応するように自分の考えも新しくなっていくからです。
この変化は、単なる「知」から、より深い「智」への変化である。人間に例えれば、どこにでもあるような知り合い関係から、
恋人への変化となるでしょう。そういう特別な関係を多くの本と結んでいくことは、まさに多くのタイプの他者と付き合うこ
となのだ。この体験が現実の生活に反映しないわけがない。少なくとも相手の言い分をきちんと聞く態度はできあがります。
そういう自分は、もはや過去の自分ではなくなっていきます。自己改造セミナーみたいなものは、自分が変わったという錯覚
を与えるにすぎないが、本を読むことは決定的に自分を変えることにつながります。
また、本を読むことは、悩みを間接的に解消、あるいは軽減します。悩んでいる人は多くの場合、一つの狭い枠内でしか考え
ることができない状態になっているが、その狭い枠を本の内容が自然と破ってくれるのである。明治時代、現在の東京大学の
前身である第一高等学校の学生が、華厳の滝に身を投げて自殺した。彼の遺書には、「多くの哲学書を読んでみたが、結局の
ところ人生は不可解である。だから死ぬ」という意味のことが記してあったそうです。彼がもっと幅広く本を読んでいたなら、
人生は不可解だが、だからこそ生きてみようと考えることもできたはずです。書物の中に人生の答えを探そうとしていた自分
を笑うこともできたのです。実際に自殺をしなくても、私たちは時に「価値観の自殺」に近い状態に陥ることがある。つまり、
得るお金が人生の勝敗を決定するのではないかと思ってしまう状態。そんな時に1人でじっと読む本は、他人の打算を含んだ
忠告よりもずっと良い薬になるはずである。
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