NO.JIN05-32 |
虹色人生サプリ <自分を変える> --- 2022/12 |
◆人は人 幸せな人ほど、そう考える
私たちが「知足」できない原因の一つが「比較」です。私たちはつい、自分と誰かを比べて自分にはないものを探し出します。
ブータンの国民の「幸福度」が高いことはよく知られていますね。さほど豊かとは思えない暮らしでも、国民の多くが「満足
している」と感じるのは、彼らには比較する対象がないからでしょう。ブータンにおいて、ごく少数の「満足できない」とい
う人たちは、たいてい海外への留学経験者だそうです。留学できるくらいですから、ほかの人たちよりも金銭的にも恵まれて
いるでしょう。だから留学するまでは「充分満足」だったと思うのです。それが、自分たちが持っていないものがあると気付
いた時から不満足となるわけです。
他と比較するまでは満足していて幸せだと感じていたのに、比較したとたんに不満足で幸せではないと感じるようになった。
しかし、実際には本人は何も変わっていないのです。何も変わっていないのだから、相変わらず満足していて幸せなはずが、
外部条件がそれをさせなくなったのです。これこそ、まさに「不幸な話」です。比較癖のある人のどこが不幸かと言ったら、
終わりがないことです。世の中にはすごいお金持ち、すごいハンサムや美人、すごい天才というのがいます。でも、小さな比
較をしているうちはその存在に気づきません。「あの人のラインに到達したら最高」と思っていても、実際にそのラインに到
達すると、さらに高い山がそびえていることに気づかされます。いつまでたっても「知足」できない人生を送ることからは、
そろそろ卒業しましょう。
◆人生を楽しみ切るコツ
それに、「今、我慢すれば → いい未来が来る」というのは、一見将来を見据えた前向きな姿勢のようでいて、実に危険な
考え方なのです。なぜなら、「いい未来を期待する」ということは、今が「ダメ」という判断をしているからです。今を生き
ていること自体が本当はとても幸せなことなのに、その本質について深く考えもせずに「ダメ」「ダメ」と言いながら上を目
指している。すると、いったいどういう結果になるのでしょうか? 60歳になっても70歳になっても「ダメ」「ダメ」。
部長になっても常務になっても「ダメ」「ダメ」。永遠に自分にマルを上げることなく、死ぬまでひたすら「フーフー」言い
ながら階段を上るだけの人生となります。
実は、こうした思考こそが様々な不安を呼び込む原因なのです。例えば、健康に対して不安を感じやすい人は「80歳になっ
ても健康でいられるように好きな酒はやめよう」などと考えます。お金に不安があれば「70歳になったら夫婦で豪華な旅行
をしよう。それまで我慢だ」などと考えます。しかし、実際にその年齢になっても自分を解放することはできません。「この
ままやっぱり90歳になるまでお酒はやめておこう」「旅行はもう少し我慢したほうがいいかも」いつまでたっても「楽しみ
切れないまま」を集積していく結果となります。それはそのまま「楽しみ切れない人生」です。そして、「人生とはこのよう
に楽しくないものなのだから、もっと何か大変なことが起こるだろう」と不安を膨らませてしまうのです。
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