NO.JIN05-45 |
虹色人生サプリ <自分を変える> --- 2022/12 |
◆よく使う言葉が人生そのものを形づくる
「人のために役立ちたい」「他人の喜ぶ姿を見るのが好きです」こういう言葉を聞いて、あなたはどんな感想を持たれるでし
ょうか? きれいごと、偽善と感じるようなら、まだ成熟度が足りない。私も若いころは、この種の言葉が大嫌いでした。だ
から、自分が言うはずもなく、他人が言っても額面通りには受け取れなかった。だが、今はこういう発言を素直に受け止めら
れます。もちろん言っている人は偽善者、利己主義者が少なくない。政治家や商売人は臆面もなく、この種の発言をばらまい
て歩く。「きれいごと言ってんじゃないよ」という感想は、多くの場合、正しいでしょう。にもかかわらず、「素直に受け入
れよう」と私が思うようになったのは、自分の口をついて出る言葉の怖さを知ったからです。
「言霊」という言葉がある。言葉には、その人の魂を込めることもできる。普段から口癖のように言っている言葉は、自ら魂
を込めなくても、自然にこもってしまうようなところがあります。よく使っている言葉は、その人の人生そのものを形づくっ
て行く。J ・マーフィーは日ごろの言動について、次のような警告を発しています。
「言葉に気をつけなさい、あなたの口から出る言葉は、中身が何であれ、あなたがそれを望んでいることにほかなりません」
これは、たいへん有益な忠告だ。普段から「自分はダメだ、ダメだ」といっている人間は、本当にダメになります。自分がそ
う望んでいるのだから当然です。人は意外に気がついていないが、人生というのは、かなり自分の思い通りになっているもの
です。こういうと、すぐに反論が出てくるだろう。
「冗談じゃない。思い通りにならないのが人生じゃないですか」
私は、こう答える。
「あなたの人生、思った通りになっているじゃないか。思い通りにならないというあなたの思った通りに」
若いころの私は、この辺のところがよく理解できていなかった。だが大人になって、かなり経験してから、「なるほど」と合
点するようになりました。
「頭の中の独り言に注意を払うのは、精神の健康のためにとても大事なことだと考えています。心の中の言葉でも、口汚くの
のしるのはダメと決断することが、深い内なる安らぐを見いだす第一歩につながります。」
重度の脳卒中から生還した女性科学者ジル・テイラーが、「奇跡の脳」で述べていることだ。どんな場合でも、ののしっては
いけない。なぜかと言えば、心の中の言葉は誰に向けられたものであれ、影響を受けるのは自分自身だからだ。
人生では、良いこと、悪いこと、好ましくないこと、様々なことが起きる。それを完全にコントロールすることなど誰にもで
きない。だが、自分の体験をどうとらえるかは「自分で決められること」である。この自分の判断、決定を良いものにするた
めには、思考の道具としての言葉が好ましくあるに越したことはない。どんな場合も我々は、前向きの、人を喜ばせるような
言葉を用いるべきなのだ。「人のために役に立ちたい」「他人の喜ぶ姿を見るのが好き」という考えを持つことが、自分のた
めに良い事だという理由が、これでおわかりだろう。口から出る言葉をバカにしてはいけない。聖書の次の成句は、伊達では
ないのである。
「初めに言葉があり、言葉は神とともにあり、言葉は神であった」 … (ヨハネ福音書)
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