NO.JIN06-05 |
虹色人生サプリ <世の中の常識を疑え> --- 2022/12 |
◆制服は人間を管理する道具
私は、義務教育の中学校、高等学校の制服はやめるべきだと思っています。服装というものは、人格の一部であり、自由であ
るべきです。人間は自分にふさわしい服装をする自由を持っています。それは思想や信仰と同じで、かくかくであるべしと拘
束されてはいけないのです。ただし、その自由を奪われた人間もいます。それは、軍人です。兵隊さんが、てんでバラバラの
服装では、相手が敵か味方かの区別ができないため、戦争ができません。軍隊はチームを作って戦争するから制服が必要です。
その他、航空会社の人間や交通機関の従業員、プロ野球球団のメンバー、サッカーチームのメンバー、いずれもユニフォーム
が必要です。チームワークを必要とする場合、制服が必要とされるのです。そしてその場合、人間性は基本的には無視されま
す。個々のメンバーは、ある程度、全体への奉仕が義務づけられるから、強烈な個性を持ってはならないのです。いえ、強烈
な個性を持っていていいのですが、その個性は全体の利益のために発揮されることが条件です。全体の不利益になるような個
性であれば、それは否定されるべきです。それから囚人に制服(囚人服)が必要なことは説明不要ですね。囚人というのは人
権を制限された人間ですから、管理されていいのです。しかし、中学生や高校生は囚人ではありません。それぞれが人権を持
っていますし、学校教育はそれぞれの個性を伸ばすためのものでしょう。制服・ユニフォームは個性を殺すために着用させる
ものです。人間を管理するためのものです。
義務教育の学校や公立の学校での制服はやめるべきだと思いませんか?
◆義務教育で成績をつける理由
義務教育で成績をつけるのもおかしいんじゃありませんか? 義務として学校に行かされているうえに、無理やり評価までさ
れるなんて、とんでもないことだと思うんです。自分自身に置き換えて考えてみてください。あなた本人の意思とは関係なし
に、どこかの工場だか研究所に連れていかれて、得意でもない分野の仕事をさせられる。挙句の果てに、「お前の成績は
100人中98番だ。もっと努力せい!」なんて言われた日には、大あばれをして上司を殴りつけたくなるでしょう。それと
同じことを、私たちは、小中学生に対してやっているんです。そして、それを疑問にもなんとも感じていないわけです。
もちろん、高校や大学は別ですよ。義務教育じゃなくて行きたい人だけが行くんですから、成績をつけられるのが当然です。
いやむしろ、成績をつけてもらうために進学するわけです。でも、義務教育の時は成績なんかつけて欲しくありません。考え
てみてください。10歳にもならない子供に、5段階評価の1や2をつけて「次からは頑張りなさい」なんて言うのが教育なん
ですか? そんな成績をもらったら、子どもはみじめになるだけです。「よし、今回は1をもらったけど、次からは頑張ろう」
なんて言う、おめでたい子供はいません。屈辱感と敗北感と反抗感を覚えるだけでしょう。
では、なぜ義務教育で、そんな成績をつけるんでしょうか? その理由は、日本の学校教育が「研修」であること思い出せば
納得できます。要するに、生徒たちを競争させて、大企業向けの若者を作り出すためなんです。成績は、そのための品評会で
はありませんか。算数の成績にしたって国語の成績にしたって、大企業や国家の価値観に基づいて人間の商品価値を測ってい
るに過ぎません。けっして、その子供の人間としての価値を測っているわけじゃないでしょう。そんな評価はやめるべきだと
思います。私がそういうと、必ず「成績をつけなくちゃ、生徒の学力が落ちる」とかみついてくる人がいます。学力が落ちた
っていいじゃないですか。学力なんて言うのが、そもそも大企業や国家の価値観なんです。そこで言われている学力は、あく
までも日本という国の全体の児童の学力でしょう。個人の学力とは無関係です。「学力が落ちたら国力が落ちる」なんてバカ
なことをいうやつがいますが、なんで集団の利益ばっかり優先するんでしょうか。集団の利益しか見られないというのは、ま
さに悪い意味での全体主義社会です。この狂った世間というのは、個々人の幸せというのをすべて犠牲にしたうえで、集団の
利益が優先されている。こんな社会はおかしいと思いませんか。
そんな学力を向上させるよりも、友人や家族を大切にする子供を作ることの方がどれだけ重要でしょうか。それができたら余
った時間を使って、世の中で生活していく上で必要最小限の読み方や計算の仕方を教えればいいんです。小中学生なんて、そ
れで充分でしょう。珍問、奇問を早押しクイズで答えられるような生徒を育てても、何の意味もありません。基礎的な学力を
つけたうえで、各人の興味を持った分野があれば、それを伸ばしていくのがいいやり方ではありませんか?
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