NO.JIN07-06 |
虹色人生サプリ <子育て> --- 2022/12 |
◆ケンカができないからいじめが増える
仲良くするのはいいことだが、人間だから喧嘩もする。男の子なら、たまに殴り合いの喧嘩くらいして当たり前である。私
の子供時代は喧嘩も遊びのうちでした。ところが今は、一度も殴り合いの喧嘩も経験したことない子がたくさんいるといい
ます。これは異常なことと言っていい。なぜ喧嘩が少ないのでしょうか。その理由ははっきりしています。先生も親も喧嘩
する子は「悪い子」、喧嘩しない子を「良い子」として扱ってきたからです。幼稚園から「みんな仲良く、喧嘩をしてはい
けません」と教育してきた結果なのです。それですっかり教育がおかしくなってしまったのである。
中学生の息子を持つある父親からこんな話を聞いたことがあります。その人の息子が学校で殴り合いの喧嘩をして、相手に
けがをさせた。ケガと言っても顔にあざができた程度のことだが、担任の女性教師が問題視し、父親に電話をかけてきたの
である。「お父さんはどう思いますか」「どうって、ケガさせたのは申し訳ないが、子供同士の喧嘩だから仕方ないでしょ」
「でも暴力をふるうのは困ります」「それもお互いの表現手段じゃないですか。時にはそういうことがあってもいい」「信
じられません。お父さんが暴力を肯定するなんて。あなたの息子さんがケガさせられたらどうしますか」「喧嘩にケガはつ
きもの。文句は言いません」女性教師は絶句して電話を切ってしまったそうです。それでも暴力を振るった方をどうしても
悪者にしたくて職員会議でも取り上げたが、校長採決で「不問」になったということだ。調べてみたら殴られたほうが、ク
ラスのいじめっ子で鼻つまみだったらしい。
いじめが横行するのは、のびのび喧嘩をさせないからである。喧嘩にはおのずとルールがある。まず素手でやること。目と
か頭、急所は攻撃しないこと。障害物のない場所で一対一でやること。これだけのルールを守れば、むしろやったほうがよ
い。それをやらせないから陰湿ないじめが横行するのです。先生が体罰をしないのも同じマイナスを生んでいます。つまり
いじめっ子は誰からも報復されない。罰も受けないし邪魔もされない。安心していじめられるのです。いじめには歪んだ楽
しみがある。それにブレーキをかける者がいないのだから横行して当然であると思います。
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