NO.JIN07-08 |
虹色人生サプリ <子育て> --- 2022/12 |
◆今の自分を見つめる
人を優先して、つい自分を後回しにしてしまう人がいます。そういう人は「相手が今どういう状態で、何を望んでいるのか」
「場の雰囲気がどうか」といった「外」に対して敏感に察知する能力が高いのです。だから、常に意識が外に集中しています。
その分、自分つまり「内」に意識が向きません。そのため、無意識に自分の気持ちを押し殺し、自分を後回しにしてしまうの
です。精神的、物理的に、相手に自分を明け渡しすぎてしまいます。だから、自分がしたいことをする時間が取れず、その前
に疲れ、何もする気力がない状態に追い込まれてしまうのです。また、人のために貢献しているにもかかわらず、自分のした
いことや、すべきことは進みません。その結果、自己評価も低くなる。これでは、いつか倒れてしまいます。
人を優先して自分を後回しにする人は、他人軸で生きています。他人軸とは「他人がどう思うか」「他人がどう評価するか」
を基準に、自分の言動を決めることです。他人軸で生きるようになると、自分の思っていることを発言したり、行動したりす
ることが難しくなります。自分の人生なのに「自分の思うように生きられない」ように感じてしまいます。まず、自分の「内」
を見つめることから始めることです。それが、自分を後回しにしてしまう人が、自分の気持ちを大切にしながら、豊かな人間
関係を築き、自分らしく生きるための第一歩です。今の自分を見つめるためのワークがあります。自分はどんな時に人を優先
し、自分を後回しにしていると感じるか?自分を後回しにするのは、どんな思考の癖があるからか? 考えてみるのです。
意識を「外」から自分に戻すリセット方法として、ゆったりした気持ちで深呼吸を5〜6回行う。また、温かい飲み物を「ゆ
っくり」味わい、自分に丁寧に接する時間を作ります。
自分を後回しにする人は「自分より人を優先すべきだ」と、子ども心にそう思わざるをえない経験を繰り返してきたからです。
やがて、自分を後回しにする思考や行動がパターン化したのです。そこで、子どもの頃の家族との関係や出来事を中心に振り
返ってみる。過去の親との関係を振り返ればわかる通り、人は、子どもの頃に親の影響を大きく受けるものです。親から言わ
れたことや体験した出来事を通して「自分は認められていない」などと思うようになります。これが「恐れ」をベースにした
歪んだ思考の癖となっています。そうして「ありのままの自分ではダメなのだ」と思い込みます。そして、その言葉を無意識
のうちに自分の中で繰り返し再生してしまうのです。さらに、成長するに従って、学校や友人たちといった様々な外野から、
自分のいいところよりも、ダメなところを指摘されることが多くなると、自己否定の思いをより強くしていくのです。こうし
て、今の自分、つまり「ありのままの自分」ではダメだという思考が形成されます。これが考え方の基本となります。こうな
ると「ありのままの自分ではダメ病」と呼んでいい状態です。
この病の本質は、本当にありのままの自分がダメなのではない。ただ、自分の中にそういう思いがあり、その考え方を自分が
信じているということです。「ありのままの自分ではダメだ」という考えは、ただの歪んだ思考の癖なのです。過去の親との
関係を振り返ることで、そのことに気づくことができるはずです。すると「自分は「ありのままの自分ではダメ病」にかかっ
ていただけなんだな」と気づけば、呪縛から解放され、自分を肯定できるようになっていくはずなのです。
学びは終わりではなく、始まり。相手を理解し続けようとする心、人を信じる心を育むには、人間そのものを信じられる必要
があります。人は行動や結果としての間違いはおかします。罪を憎んで人を憎まず。人間を信じるには人間である自分の本心
に触れ信じられる必要があります。良くないと思っている自分の言動や気持ちの背景には何があるか?
自分の内側に意識を向け、自分の素晴らしさ、本心に繰り返し触れることで自分を、人間を信じられる様になっていきます。
自分の本質を信じられることで、人間を信じられるようになり、正しい人間観が育まれます。すると同じ人間である相手の言
動や結果を超えて相手の本質を信じられるようになります。
人を信じる心と眼差しが、子どもや周りの人の可能性を育み、豊かな未来を創造していくと私は信じています。
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