NO.JIN08-01 |
虹色人生サプリ <覚悟の決め方> ---- 2022/12 |
◆健康診断・人間ドック
病気は早期発見、早期治療が大事と言われます。定期健診などで大病が早期に見つかり、大事に至らないケースがあるのは事
実です。しかし、一方で、本来は病気でない人が病気にさせられてしまうこともあります。健康診断では、数値が極端な上下
5%(極端に高い2.5%+極端に低い2.5%)の人を除いた残りの95%の人の値を基準値としています」。人間は一人
ひとり違うから、中には95%の人の基準範囲内でも異変を抱えている人がいるはずだし、5%の基準範囲外でも、まったく
の健康体の人もいるに違いありません。数値はふつう、基準範囲の内か外かで機械的に病気の線引きがなされてしまうため、
本当は病気ではないのに病気にさせられてしまうケースも少なくない。医者に病気だと言われれば、誰だってショックを受け
ます。それだけでも精神的なストレスは甚大なのに、ひとたび病気の診断が下されてしまえば、数値を基準値内のするため、
投薬などの治療や食事制限などの健康管理が行われるようになります。自分の本来の数値は別のところにあるのに、無理やり
それをいじるのだから身体にいいわけがない。しかも薬には副作用が付き物です。こうなると病気でない人も本当に病気にな
ってしまいます。
※健康診断では、そもそも上下5%の人を基準範囲外とする科学根拠はなくて、「その辺が妥当な線ではないか」程度のこと
で決められたものらしい。仮に10項目を調べれば、すべての測定値が基準範囲内に収まる確率は、(0.95の10乗で)
0.599になり、30項目を調べると確率は0.215に低下する。これが人間ドックで8割以上が「異常あり」とされる
カラクリなのです。これが、現実です。それでは、あなたはこれから、健康管理をどのようにしていきますか?それは、自分
で考えるしかないのです。
◆正常値なんかあまり気にするな
血圧とか血糖値にやたら詳しい人がいる。自分はいくらいくら、正常値はいくらいくらで、自分はこの値だから「ギリギリだ
けど大丈夫なんだ」とうれしそうに語る。がん検診で「異状なし」をもらうと安堵の胸をなでおろしている。だが、一方で正
常値でなかった人はどうかというと、こちらはひどく心配する。「尿酸値が高い」と言われる、本人はもう痛風になった気で
いる。なまじ情報や知識があると余計な心配をするようになる。
病気は気にするとかえって悪くなると言われている。昔からの諺「病は気から」は本当だ。だとすれば、検診を受けることは
心配の種を作りはしないかと常々気になっていたのだが、ようやく納得の行く答えが見つかった。聖路加国際病院理事長の日
野原重明さんが新聞にこうした内容を書かれていたのである。
「コレステロールや血糖値にしても、今は正常値より高いか低いかで病気を作ってしまっているが、正常値自体、学問の進歩
もあって学会が値を変えてしまうこともありますから、あまり固執することはないのです」
そもそも正常値表というのが良くないのだそうだ。我々の身体はある部分が悪くても、他の部分で補って調節している。
だから数値だけを見て「ダメだ」とか「安心だ」というのは間違いで、体全体から考えなくてはいけないらしい。それともう
一つ重要なこと、それは健康管理に「おおよそ」の思想を持ち込むことである。食事もカロリーや栄養素に厳密にこだわるこ
となく、「このところちょっと肉ばかり続いたから、今日は野菜を食べよう」とかいう程度で良いのである。あるお医者さん
から聞いた話だが、異常なほど血圧が高くて、生きているのが不思議なくらいの人が、どういうわけか頑固に「自分は血圧が
低い」と思い込んでいた。その思い込みがその人間を生かす原動力だったというのである。この人がもし正常値と自分の血圧
の数値を知ったら、たちまちひっくり返ってしまうことだろう。がん検診で「胃にちょっと影が…」と言われた途端、強烈な
ストレスが生じ、それが猛スピードでがんを作ることもあるらしい。がんについて「がんと闘うな」「いや闘うべきだ」と論
争が起きているが、「闘うな」というのは極論にしても、医学の測定値をそのまま受け入れてしまうのは、どうやら早合点と
いうことのようだ。すべからく気にすることは良くない。
◆快食、快眠、快便で健康に生きる
健康医学書などには肉類は控えめにして、野菜や果物をふんだんに取り、タンパク質は魚類、乳製品や豆類などの低脂肪の食
品でとることが望ましいと書かれています。なるほどとは思う。だが、好きなものをおいしく食べたほうがいいとは、どこに
も書いていません。私にはそれが解せない。人間にとっての「食」とは、生命を維持するためのエネルギー補給の意味だけで
はないはずです。生物学的、あるいは医学的根拠についてはわからないが、「美味しい」と感じるものは体が欲しているもの
と伝えている。実際、私はタイトな仕事が続くときなどは、意識的にステーキや鉄板焼きなどを食べます。ランチやディナー
を問わない。それによって、「元気になった」「体調が戻った」という「感じ」が得られればいいのです。そんな食生活です
が、大事を取って年に1回の定期検診を受けており、血液検査などでもほぼ異常がない。総コレストロール値は高めだが、
まったく気にしていません。
健康診断の様々な検査などで「正常値」と言われているものは、30代の健康者を基準に決められたものです。自分が正常と
言われる数値の範囲内にないからと言って、特に年配者が心配することはないと私は考えています。高齢者がどんどん増えて
いるのに、長いスパンで調査した60代、70代 、あるいはそれ以上の世代の平均的数値の統計などない。だから、おおよ
その基準として正常値が決められているにすぎないということなのです。それも若年あるいは中年が中心です。「医師として
定期検診は意味がないとは言いませんが、絶対的なものではないということです。患者さんの中には、神経質に数値を毎日の
ようにチェックして「病気探し」をする方もいらっしゃいますが、その神経質さが生むストレスのほうが気になります。
美味しいものを美味しく食べられる。それが一番いいのです。肉が食べたければ食べる。それもおいしく食べる。暴飲暴食は
慎まなければならないが、ヒステリックにあれもダメ、これもダメなどという気分で暮らしていたら、ストレスがたまって、
かえって健康を害するのではないか。私はそう思います。自分だけの「正常値」は、自分の「感」でいい。基本的には、快食、
快便、快眠の「3大快」が健康のものだと思っています。
私はそうやって生きてきたし、これからも変えるつもりはありません。
|