NO.JIN09-01 |
虹色人生サプリ <読書術> ---- 2022/11 |
◆何を読んだら良いのか
本を読むことの価値の80%くらいは、どの本を手に取るかということにかかっていると言えます。つまり、自分が何を読み
たいのかということに自分で答をだすことが、読書をする価値のほとんどだと思います。したがって、それがわからないなら、
読んでも大半の価値を得られない、無駄が多すぎるということです。例えば、カメラを手にして「何をとったら良いですか?」
と周囲に聞いて回る人を想像してほしい。人が指差すものを写真に撮ることに、どれほどの価値があるでしょうか?もちろん、
ゼロではありません。しかし、大半を放棄している姿勢なのです。もちろん、この質問をする人は、自分が読むものがわから
なくて、それを知りたいと思っているのではなく、単に、本をすすめてくれる人に出会いたいだけだろう。ここを間違えては
いけません。もし、読みたい本が本当にわからなくて困っているなら、その案内をしてくれる本がいくらでもあるから、まず
それを読めばよいと思います。
「小説xxxxxが面白かったのですが、これと同じようなものを読みたいので、どなたか教えてください」という質問をす
る人がいます。この場合は、自分と同じ本を読んだ人に出会いたいという心理であって、あまり目くじらを立ててはいけない
と思います。私は、こういうのを見ると、「もう1冊同じ本を買ったらいかがでしょうか。もちろん、買った本を再読しても
同じ効果が得られます」と答えたくなる。私の経験からすれば、小説だけでなく、ビジネス本などでも、一度読んだ本をしば
らく経過してから読み返してみると、新しい感動・発見をすることがほとんどです。
答えてくれる側の心をくすぐるような質問もあります。例えば、「あなたが好きな小説を10冊教えてください」みたいなも
のです。これは、答えたい人がいっぱいいるので、反応が沢山ほしい場合には常套手段と言えます。
カメラの場合と同様、要するに何かをする時の価値の大半は、目標を捉える初動の判断にあります。どこに目を向けるのかと
いう「着眼点」です。ここに、人の思考、発想、能力といったものの大半があります。これを人にゆだねる行為は、人間性を
半分失っているのに等しいと言えます。本当に自分が読みたい本を探したいのであれば、人に頼らずに、自分で探すことをお
勧めします。もし、自分と同じような本を読んだ人と出会いたいのなら、はっきりそう伝えればよいと思います。
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