NO.JIN09-02 |
虹色人生サプリ <読書術> ---- 2022/12 |
◆読書力があるとは
読書力という言葉があります。本を読む力とは、どういう力なのでしょう。私は、読書力とは、「本を自分の人生に取り込む
力」だと考えています。一冊に詰め込まれた著者の知恵・経験・洞察を自分の人生のソフトウェアに組み込むことだとも言え
ます。人生を生きるノリというのが、誰にでもあります。それは、たいていの場合、子どもの頃の両親の価値観などを引き継
いだり、反発したりしてできます。そのノリは、素晴らしい上司、悪い先輩などに影響されながら、ポジティブ、ネガティブ
の両方の面で、変わっていきます。なかでも、読書による影響は、大きいのではないでしょうか。本を読むことで、これまで
とは違った生き方をしてみようと思うことがあります。ハワイでヒーラーをやっている人の本を読んで、その人にあこがれて
実際にハワイに移住した女性がいます。そうやって、読書によって生き方のノリを変える。読書を自分の実生活に活かせると
いうのが、読書力のある人だと言えるのではないでしょうか。
また、「読書は、著者との精神的対決だ」と熱く語っている人もいます。読書力というのは、著者と対峙する力ともいえるで
しょう。その人が人生をかけて積み上げてきたものを、一冊の本に投入しているわけで、その本と向き合うには、ある程度の
エネルギーが必要となります。その本が持つ歴史的背景を感じ、著者の喜び、悲しみなどの葛藤を感じることができるように
なると、あなたの読書力は相当なレベルになっていると言えるでしょう。
◆人生ゲームのルールを本から学ぶ
本から学べることは、実にたくさんありますが、その一つに、人生をどう生きるのかということを物語から感じることができ
ます。人生ゲームととらえるなら、選んだ生き方で、たくさんのルールや見えない規則があります。例えば、公務員になった
ら、公務員としての規範のようなものがあります。周りとの調和を大事にせず、前例を覆すことばかりやっていたら、あなた
はきっと周りから疎まれるでしょう。また、アーティストとしての生き方を選んだら、逆に、周りとは違ったことをやり続け
なければいけません。周りと同じようなことばかりやっていたら、アーティストとしてのキャリアは、すぐに終わってしまう
ことでしょう。そういった生き方それぞれのルールを本から学ぶことが、「自分はどれで生きたいのか」という自分の未来の
シミュレーションになります。
また、海外で暮らしたらどうなのか、大学院に戻って学位を取ったり、資格を取ったらどうなるか。本を読むと、「自分だっ
たら、どうなるか」という具体的なイメージもわいてくるでしょう。一生を通してみれば、どんな人も、15歳ぐらいの時に想
像したのと、全然違う人生になるのが普通です。あなたが小学校の頃から今までに学んできたことはたくさんあると思います。
学生時代に勉強したことは、直接仕事には役に立たなかったかもしれません。あるいは、転職して前の職場で学んだことが無
駄になった感じがしているかもしれません。でも、長い目で見れば、過去の体験が生きることがあります。同じように、読書
に関しても、無駄になるということはありません。あなたが読んできたものは、確実に身になっているのです。だから今自分
にとって必要かどうかを考えすぎずに、自分とは違い生き方をしている人の人生を吸収してもらいたいものです。どれがいい
悪いではなく、いろいろなパターンを見ておくと、「こうやったら、ああなるんだ」ということを考えるいいヒントになりま
すし、「どう対処すべきか」ということもわかってきます。読書をすることで、仕事、家族、恋愛についてのいろんなルール
を学ぶことができます。そのルールを頭に入れたうえで、実践に活かしてください。
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