NO.JIN09-03 |
虹色人生サプリ <読書術> ---- 2022/12 |
◆自分のことが理解できるようになる
学生時代、本をたくさん読んでいたところ、友人から、「お前の日本語は難しい」と言われたことがありました。普段使う言
葉に、聞きなれない言葉を使っていたからです。本を読むと、自然とボキャブラリーが増えます。ボキャブラリーには2通り
あります。アクティブ・ボキャブラリーと、パッシブ・ボキャブラリーです。アクティブ・ボキャブラリーは、普段あなたが
使う言葉です。パッシブというのは、受け身という意味で、普段は使わないけれど、理解はできるという言葉です。この、聞
いたらわかるという言葉が多い人ほど、ある意味で教養があると言えます。例えば、「たおやかな女性」というと、一瞬で細
身の美しい女性を想像する人もいるし、「??」となる人もいるでしょう。ひけらかす必要はありませんが、難しい言葉をよ
く知っている人は、人間的に奥行きがある空気感をまとうようになります。そして、たくさん言葉を知らないと、自分のこと
を表現することができません。例えば、自分の感情を表現しようと思ったときに、本を読まない人ほど、ボキャブラリーが少
なすぎて、小学生のような感じになってしまいます。気分が悪いとか、嫌な感じがする、悪いなと思っている、ぐらいしか言
えないのです。
言葉の裏には、世界が広がっているのです。その感情を分析していくと、「罪悪感」という言葉が出てくるでしょう。その罪
悪感にも種類があって、それが何なのかを見ていかないと、自分が何を感じているのか、はっきりすることができません。そ
れは例えば、「自責の念」といった、自分を責めるような感情かもしれないし、「悔悟」という取り返しのつかないことをし
てしまったと後悔するような感情かもしれません。また、「良心の呵責」といった、モラル的なことかもしれないし、「後ろ
めたい」という気持ちかもしれません。そういうボキャブラリーがなければ、自分の中にあるもやもやした気持ちを、「いや
な気分」だという言葉にしか集約できません。それが明確にできないと、いつまでたっても、気持ちは晴れないままです。言
葉を知っていることで、自分のことがより分かりやすくなるというのは、知っておいて損はないでしょう。ボキャブラリーを
増やすことで、内面だけでなく、世界に何が起きているかについても詳しくなります。それは、言葉を知ることがあなたの認
識能力を高めることになるからです。
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