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用意するもの(使ったもの):
工具類/ドライバー(+)(-)・プライヤー・ペンチ・六角レンチ
ボックスレンチ(ラチェットレンチ)・ニッパー・カッター
ハサミ・ラジオペンチ・平ヤスリ
電動ルーター(使わなくても大丈夫)
電動ドリル(キリ3.2mm×4本)タッパー(キリ4mm)・ノコギリ(金切ノコ)
部材類/発泡ゴムシート・生ゴムシート・油性マジック
ボルト(4mm×2本)・両面テープ・絶縁テープ
アロンアルファー(ジャンク)
エナメル系溶剤(模型屋等に売っています)機械油(KURE
556でOK)
サンライズ/ガングリップ(E30用)
※工具および部材名称は正式名称ではない場合があります。下の写真を参照してください。 |
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はじめに:
残念ながらサンライズで購入できるガングリップは購入状態(そのままの状態)では取り付けはできません。購入部品内訳は、ガングリップ本体とシフトバーの2点。購入部品の加工はガングリップ本体についているロックアーム(シフトをロックする白い樹脂)をカットしなければなりません。この作業自体は非常に簡単なのですが、シフト本体部を分解する作業については手持ちのあらゆる工具を駆使しても通常(?)の分解・交換ができませんでした。そのため一部の加工と強制的な取り付けを行ったため装着作業は大変苦労しました。(だから装着後はとってもうれしい!)気合をいれてトライしてください。参考までに所要時間は約4時間程でした。また、添付の写真は車輌により若干の違いがあるかも知れません。状況に応じて対応してください。ガングリップ購入時、サンライズの方が言っていましたが加工の度合いが年式・LH/RH等車輌のタイプによって異なる場合があり「年式が同じだから同じ加工!」ということはないそうです。(結構冷たい対応でしたので本当かどうかは不明ですが…。)
このデータがガングリップ装着をめざすオーナー皆様の参考になれば幸いです。 |
今回のガングリップ装着のついでにスポーティに走れるかも知れないという理由から
D⇒3へのシフトダウン時にロックボタンを押さずにシフトできるよう改造。シフトノブのシャフト部の「植毛」が抜け落ちていたため、ゴムシートに変更しました。この件についても記載しておきますので参考にしてください。
※D⇒3へのシフトダウンはあまり多用するとATが壊れてしまう場合があるかも知れませんので気をつけてくださいね。E30
MT CLUB HP内の購入メンテナンスガイド「AT」の項目にも記載されていますが「ATはできるだけ大切に扱いましょう」を忘れずに! |
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1.コンソールを外してください
ART-1のサイドブレーキ部のコンソール@を外します。
@後部座席用灰皿を外します。
Aサイドブレーキのグリップを抜きます。(軽く左右に廻しながら前方に引っ張ると抜けます)
B後部座席用灰皿を抜いた状態ART-2でランプ&ランプステーを外します。
Cボックスレンチ(No.10)を用意しART-2のナットを外します.
DART-3を参考にコンソール@を後方へ引きながら上に持ち上げます。
Eサイドブレーキをかわしながら前方へ移動し、コンソール@を外します。
⇒サイドブレーキカバーは下面から取り外しが可能です。コンソール@が外しづらい場合はDの作業時に下面からカバーを外して作業すると楽に脱着できます。特に作業後、コンソール@を取り付ける場合はサイドブレーキカバーを外して作業で行うことをお勧めします。
⇒M-TEC等でATプログラムセレクター付きの車はこのコンソールにマウントされているはずです。(寂しいことに私の車にはありませんが…。)このパーツの取り外しは不明なため記載いたしません。
ART-1のシフト部のコンソールAを外します。
@灰皿を外します。
A六角レンチを用意し、シフトノブを外します。(シフトノブの固定ビスはノブ上部の前方にあります。1箇所のみ)
BART-1のD部のカバーを外します。
Cドライバー(+)を用意しART-4のタッピングビス(2箇所)を外すとシフトインジケーターがカバー外れます。
Dボックスレンチ(No.10)を用意しART-4のD部のナット(1箇所)を外します。
Eボックスレンチ(No.8)を用意しART-5のB部のナット(1個所)を外します。
Fドライバー(-)を用意しART-5のC部のプラビス(左右2個所)を外します。
⇒プラビスは90°廻すと引き抜けます。ハンドル下の「アンダーカバー」を外してから作業を行ってください。
Gコンソール@同様に後方へ引きながら上に持ち上げコンソールAを外します。
⇒1速のポジションでコンソールを外しましょう。コンソールAはPWのスイッチやシュガライター等の電装パーツの配線が接続されていますので、無理に引っぱったりすると故障・破損の原因になります。気をつけて作業を行ってください。
(参考までに…。私の車は結構配線が劣化していました。配線カバーの数箇所は「割れ」の症状があり、無理な力を加えると断裂の恐れがあります。気が付いた場所は後で補修(交換)しましょう。ちなみに私は1本1本を絶縁テープで補修した後全体を結束しました。ちっとも安心じゃないですけど…) |
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1. シフト本体を外します。
写真-Aに示すシフト本体を外します。
@ 写真-Aのa部のシフト配線・インジケーターランプ等を外します。
A ボックスレンチ(No.10)を用意し写真-Aのb部のナット(前方2箇所)を外します。
B車体とシフト本体を外します。Dの作業のためシフトポジションはPの位置にしてください。
C シフトバー写真-Bのa部の止め輪をプライヤーまたは手で外します。
⇒シフト本体はゴム製(?)の防水消音材を間にはさんで固定されています。この防水消音材を剥離させないと車体からシフト本体を外せません。E30は最低でも10年を経過しているので防水消音材が硬化していることが多いと思います。剥離作業は予め「エナメル系溶剤」を防水消音材に染み込ませた後、車体にキズをつけないようにドライバー(-)を差込み、引き剥がしながら外してください。(結構乱暴な作業ですが…。)ちなみに防水消音材は取り付け時に別のものに取り替えましょう。(後記参照)
2. シフト本体の分解。
シフト本体を分解します。
@ 写真-Cのa部のスパイロールピンを抜きます。
⇒スパイロールピンは薄い鉄板を丸めて作ったピンですが、はっきり言って抜けません。叩いて抜くにも方向的に無理があり、プライヤー等で掴んで抜くにも錆びついているために、まったく抜けませんでした。(何か特殊な工具があるのかぁ?整備工場やショップってどうやって抜いてるんだろう?誰か知っている方は教えてください。)そこで私の行った加工を記載します。
A スパイロールピンが抜けない場合は、下部を金切ノコまたは平ヤスリでカットします。
B スパイロールピン部に機械油を十分染み込ませます。
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写真A |
写真B |
写真C |
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@電動ドリルに3.2mmのキリを取り付け、ピンの方向に合わせ穴をあけます。機械油を注しながら穴をあけましょう。
⇒キリは先焼けして切れなくなってしまいますので予備を十分用意してください。(実際4本の3.2mmを使用しました。)余裕があれば3.2mmのほかに1.6mm程度のキリを4〜5本購入して下穴をあければ3.2mmのキリはそれほど用意しないでもOKだと思います。また、シフト本体の形状がこの作業にあまり適しません(穴があけづらい)のでケガなどしないように気をつけてくださいね。
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重要:
ピンの方向に対して平行に(ピンだけをとばすように)穴をあけてください。平行にあけないと修復できなくなってします。この場合は溶接等で対応するしか手がなくなってしまいますので十分に気をつけてください。 |
A若干残ったピンをラジペン等で取り除いた後、シャフトを抜きます。
Bドライバー(+)を用意し、写真-Dのa部のネジを外し、シフト本体を分解してください。
Cタッパーに4mmのキリを付け、購入した部品のシフトバーに開いている穴(本来はスパイロールピンが入る穴)にタップを切ります。
D写真-Eのようにシャフトの穴(スパイロールピンが入っていた穴)にタップを切ります。
1.ガングリップ取り付け。
ガングリップを取り付けます
@シフト本体の組み立て作業の前に写真-Fを参照して防水消音材の代わりを貼ります。DIYショップ等で購入できる発泡ゴムシートを若干大きめにカットした後、シフト本体下部へ貼ります。(私は両面テープで貼りました)
⇒発泡ゴムシートを貼らず、スポンジの厚めの両面テープを代用した場合はつなぎ目(コーナー部)に隙間ができるため消音しきれず、走行中にドライブシャフトまたはミッションケースの音がもれて、室内に「シャー」という音がします。(実証済)当然発泡ゴムシートのカットもつなぎ目が出ないようにしっかりカットしましょう。また、もともと貼り付いていた防水消音材はしっかりはがしましょう。手を抜くと装着後同様の症状が発生します。
Aガングリップをシフトバーに取り付けます。ガングリップはシフトバーの溝にはめ込んでください。(引っぱっても抜けない位置までしっかりはめましょう。)
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写真D |
写真E |
写真F |
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@シフト本体を組み立てます。
⇒購入したままのロックアームは長いためにカットしないと組み立てができません。カット方法はガングリップのロックレバーを目いっぱい押し込んだ状態で写真-Gの矢印部(ロックアーム)がシフトバーの最下面に接する場所に印をつけ、カットしてください。カットしすぎると使い物にならなくなりますので確認しながら少しずつカットしてくださいね
Aシャフトを差し込んでください。
B写真-Hを参考にシャフトの穴とシフトバーの穴を合わせ用意しておいた4mmのボルトを両方向から締め込みます。
⇒装着後に振動でボルトが緩まないよう、きつく締め込み、アロンアルファー(ジャンク)で固定してください。 |
写真G |
Cシフト本体の組み立てが完了したら車体へ取り付けます。
⇒@に記載した防水消音材の代わりの発泡ゴムシートを車体と密着させるために車体側にも両面テープを貼り、ナットで締め付けてください。あとはここまでの作業の逆工程です。最後にコンソールを固定しているナットはナイロンナットです。ボックスレンチやラチェットレンチ等トルクの強い工具で締め込むとねじ山が崩れて使い物にならなくなってしまいますので気をつけてください。
これで完了! |
写真H |
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最後に…
ここまで読んでくださった方はご自身でガングリップ(サンライズにて購入)の装着が可能になったはずです。しかし、手持ちの工具や作業にかかる時間・加工を行うことによるリスクの問題を考えればガングリップを扱うショップに依頼するのも一考です。
ここで紹介した作業がE30という車の直接的なメンテナンスではないことを十分理解し、趣味の一環として楽しみながら作業する手助けになれば幸いです。
このデータはあくまでも個人が行った趣味のデータ(?)であり、ガングリップ購入先であるショップのアドバイスや指導のもとで行った作業ではありません。従ってショップが行う「正しい取り付け方」とは異なる個所もあると思いますので予めご了承ください
上記マニュアル内の各部の名称および呼称は都合上、勝手につけたものです。あらかじめご了承ください。
このデータは89年E30/320i/4dr LH 車体番号 の車輌に取り付けを行った時のものです。
E30 MT CLUB E30/219 BO Member’s
Code.5684 BMO/べむ夫
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ついでの作業
コンソールの下は結構きたないです。
⇒コンソールを外すと抜け落ちた植毛やなんだかよくわからないゴミがいっぱいです。ついでに掃除機でクリーニングするとなんだか気持ちいいですよ。 |
植毛の交換。
⇒いやぁ人間と同じで年と共に抜けますねぇ「毛」。最終的にはメーカーから部品を購入して交換すればいいのですが、この際ついでですし何かいい方法ないかと思案し、植毛のゴムシート化をやってみました。はっきり言って何の役にもたたないデータです。出来上がりは写真-I・写真-Jを参照してください。
D⇒3へのシフトダウン時のロック解除。
⇒国産車ではあたりまえのことですがE30はD⇒3はロック付きですからねぇ。当然理由があってのことでしょうからZFの耐久性やら何やらを無視している邪道とも思えるこの改造。決してお勧めできることではありません。それでも興味がある方は参考にしてください。
⇒改造後のインプレですが、ロックの有無だけのことで特になぁーんにもありません。操作性がすこぉーし向上した(?)だけですからねぇ。ただ意図的にシフトを変更する機会が増えてちょっとだけチャキチャキ走れる気がします。当然ですがキックダウン誘発のためのアクセルオンは不必要になりました。実際のところ加速時に利用する頻度は少なく、減速時にエンブレをかけるために利用するのがほとんどですね。(こんなインプレですいません)
⇒改造の仕方はいたって簡単です。「4.ガングリップの取り付け」の際に分解したシフトロックのためのブロックを削るだけで完了。写真-Kを参照してください。注意する点は削り過ぎないこと!抵抗無く動くのはいただけませんからねぇ。シフト本体の組み立て時にD⇒3の操作を実際に行いながら好みに合わせて調整してください。
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