rev040530

E30のTuneupについていろいろ考えていることを記述します。もちろん個人的な考えですのでご意見、ご批判無用に願います。要は「面白、おかしく」読みたい人だけが読めば良いのです(笑)

エンジンチューニング
M20 MECHA TUNEという選択
■E30 6気筒車両に搭載されているエンジンは、Big−6(M30他)を搭載しているチューンド以外は基本的にM20です。これらは2000cc、2300cc、2500ccに分類できます。
一般的に出力向上のためのエンジンチューニングは「
排気量アップに勝るチューニングなし」と考えられているので、排気量が大きいほど馬力、トルクが出る仕様になります。ノーマルなままROMチューニングや、キノコ型のフィルターだけで、パワーはアップ期待できません。小手先のチューニングでは土台無理なのだと思います。
「ものの本」によれば、「馬力=回転数×トルク÷716」で表現できるのだそうです。(何故716という係数が出るのかはわかりませんけど)
ですから、NAの場合、排気量をアップして同じ回転数でトルクを増加させるか、ハイカムを入れて高い回転数を得るかがパワーアップのメジャーな方法になります。


■では、2.5の方々が「モアパワー」を望んだとき、どういう選択肢があるのでしょう?

@「さらなる排気量アップ」
■これは、E30に標準で存在する排気量「以上」に変更することを意味します。以前、ALPINA、SCHNITZER、MATTHES、IDINGなどが試した古典的アプローチ方法です。 もちろん、チューナーによってカムプロフィールも、燃焼室形状も異なるでしょうから単純な比較は出来ないと思うのですが基本は、325e の腰下を利用し、ストロークアップするものです。M20のブロック自身「ボアアップ(シリンダボア拡大)に耐えられないか」、「シリンダ拡大ボーリング&スペシャルピストンを使うほどの費用対効果が得られないのか」、ストロークアップに集中しています。これらの効果は、トルクの増大です。
小生は素人ですが、ストロークアップはトルクアップ型の出力特性になると記憶しています。人間、出足の加速感でかなり「参る」ので、これらはチューナーの「演出」であるようにも思えます。比較的安価(チューナーコスト上でという意味。購入価格はぜんぜん別。もちろん税金も度外視)、かつ「劇的」という意味でのチューニングアプローチかも知れません。
■2.7以上の排気量を狙うなら、さらなるストロークアップ化を考え、ピンハイトが高い位置にあるピストン、E36M3のクランクを加工して3.0リッター化です。日本では見たことがないですが、米国などではすでに「試した輩」がいます。圧縮比9.5:1、272°のカムで210馬力を叩き出しています。笑います。

A圧縮比アップ+カムプロフィールの変更
■2.5のまま、パワーアップの狙うとしたら、どんな方法があるのでしょう?ヘッド面研磨による圧縮比アップ(いわゆる「ハイコンプ化」)だと思います。日本の輸入仕様の320i、325iは新車当時カタログスペックで圧縮比「8.8:1」です。これを「10.5:1」ないし「10.0:1」程度にアップできれば出力向上につながります。加えてノーマルのカムプロフィールを変更し、回転数が高いところで馬力を出す仕様が望めます。古典的といえば古典的ですが、今も「脈々」と受け継がれている手法です。チューナーコンプリートもののカムプロフィールを良く知らないのですが、ALPINA C2 2.7が280度だとどこかのWebで見たたことがあります。知り合いのC2-2.7(エンジン自身は2.5)がシャシダイで185馬力出しているのでこの選択もありだと思うのです。いわゆるヘッドチューニングで+15馬力を得られるのは素敵です。

@Aともに言える事ですが、これらを施すにはあわせて、バランス取り、ポート研磨によるインテーク、エキゾーストの最適化。バルブ摺り合わせ、ガイドの打ち直しなどが必須と思われます。(中古の2000cc国産車が買えるほどに「諭吉」に羽が生えます)
加えて高回転まで回せる仕様にするのでしたら、サージングを起こさないよう強化バルブスプリングなどを用意する必要もあります。

メーカ プロフィール リフト
HIOP 274° 112 11.1
280° 111 11.4
288 110 11.7
SCHRICK 272/272 112 11.0/11.0
276/276 108 10.6/10.6
276/276 108 11.5/11.5
280/280 110 10.6/10.6
282/272 110 11.5/11.0
290/290 110 11.5/11.5
292/292 108 11.1/11.1
296/296 105 10.6/10.6
304/304 105 12.2/12.2
312/312 105 12.5/12.5
324/324 100 12.2/12.2
332/324 104 12.5/12.2
過給器という選択
■いわゆるターボ、スーパーチャージャー(以下SC)の装着です。ターボに関してはM20用が以前HKSで販売されたことがありました。これはE28搭載のM20用だったのですが、価格を抑え、必要最低限のパーツにしぼり30万程度でE30用も併売されました。比較的安価で販売されたのですが、現在では装着された車両は見たことがありません。食指が動くチューニングですが、当時はインタークーラーの置き場所がなく、過給圧もそれほどあげられませんでした。結果200馬力程度のパワーアップに留まりました。
■現在はPOWER STATIONというチューニングショップが日本車のタービンを装着した事例があります。かなり速い様子です。これは製品ではなく、ほぼワンオフものです。
■ターボのようなラグが少なく、低回転からリニアに効くSCですが、M20に装着可能可能な製品、あるいは装着している事例は確認出来ませんでした。E30自体には、E36の2.5リッターに換装した上で、装着されている車両を雑誌で見たことがあります。これは長野のセンターラインというショップで行われているようです。

異なるエンジンへの換装という選択
■手っ取り早くパワーを手に入れるにはエンジンの換装が良いと思います。もちろん、改造車検を通るか?BMWが得意とする50:50に近い重量配分を維持できるか?などの課題をクリア、あるいは無視した上でのお話ですが。換装するエンジンは同車種の異なる排気量、ツインカムエンジン、後継モデルのエンジン、国産のエンジンなどが考えられます。

S14への換装

■E30M3に搭載されているS14ツインカムエンジンへの換装は魅力的です。ボディは通常の2ドア、4ドアのまま4気筒ツインカムヘッドが搭載されるのですから。これには、M3用のエンジンマウントを用意し、M3用のミッション、コンピュータを用意すれば比較的簡単に搭載できるはずです。同世代のコンピュータですからECUユニットもボルトオンです。現にイタリアで市販された320isは2.3を2リッターにデチューンした上で搭載したのですから、何とかなると思います。
問題は、実は技術的な側面よりも、コスト面にあります。もはやE30 M3は希少性の高い車両になりつつあり、一般車両のように解体パーツが安価で入手できないのです。解体車両丸ごとが「結構な値段」で販売されています。部品取りを用意し、換装するくらいなら、M3に乗り換えられるってなお話になります。(ブリスターフェンダのボディもいっしょに手に入りますから。)
このため、S14換装組みは意外と少ないのです。

E36ツインカムエンジン、M30などへの換装
■小生の知る限り、一般的?に行われるのはE36の2.5リッター、3.0、3.2リッターエンジンへの換装です。国内外のいくつものサイトでも確認できるのでまぁ、載るのでしょう。ただ、単純にエンジンをコンバートできる筈もなく、ミッション、コンピュータ、それに伴うハーネス関係すべてドナーから移植する必要がありそうです。(コンピュータなど、単純に移し変え出来ず、MOTECなどのフルコンを利用する事例もみられます)。加えて脚周りや、ブレーキなども相応に強化、移植しないと「走る棺桶」になりかねません。(特にM3のエンジンなどを載せる場合など)2.5ノーマルで192馬力(鋳造ブロック版)、3.2で321馬力が手に入ります。
■また、過去にも何度も試されているM30などのBig6への換装という選択もあります。以前、E36のツインカムヘッドが登場する以前は、ドイツのチューナーなどでは一般的な手法でした。ただし、E30の小柄なボディに熱量の大きいエンジンを搭載するのですから、対策は非常に大変かと思われます。車両管理にナーバスにならざるを得ないでしょう。おまけに重いエンジンでバランスが狂うので最近は流行らなくなりました。


国産車エンジンへの換装
■まぁ、車検は通らないでしょうが、やってる人はやってるのでしょうね。
BMWらしさがなくなるっていうか、「それなら国産車乗れば良いじゃん」って感じで小生は否定的ですが、海外には日産のSR20DETに換装した車両が存在します。


ブレーキチューニング
パッド交換という選択
■もっともポピュラーで、一番最初に始める方法。では、パットは何を選択するの?ってのが課題になります。
それには、もっとも利用するシチュエーションがどこなのかが重要になります。当たり前のように良くレース用パッドを選択する人がいますが、通常の一般道利用ではかなり、ローターを攻撃するものと思われます。レース用は、600℃〜800℃などで一番効くように設計されているので、一般道のようなところでは「暖まり切らず」パッドの材質がローターを傷つけるのです。小生のような「へたれ」は標準でもけっこう普通に走れます。購入するとしてもストリート用で十分だと考えています。
■ちなみに右がDELPHIのパッドです。次は「へたれ」の小生もアフターメーカーのパッドに交換しようと思っています。他にZ.Mevius他、様々なメーカーが発売していますが、使ったことがないので何がどう違うのかわかりません。
ロータ交換という選択
パッドと同時、あるいは、パッドを交換してから、こちらをやりたくなる方もいらっしゃるでしょう。で、標準以外にもアフタメーカーがE30用のローターを販売しています。メジャーなところでは「ブレンボ」「デルファイロッキード(旧APロッキード)」、「ATE」などです。ノーマル形状の他、スリット加工されたもの、ドリルド加工されたものなどが出回っていてレーシーです。ただ、スリット加工、ドリルド加工されたものは、見た目はレーシーですが、ブレーキをかけたとき、「ゴ〜」というような音が出たりします。それを良しとするかどうかもあるので、装着している方の車両に乗ってみるのが良いと思います。小生は現状ノーマルローターなので実際に効きがどれだけ違うのか「てんで」わかりません。
■ちなみに左記の写真のものがロッキードのロータです。ドリルドはサーキットのような「過激」な使い方にあっては穴周辺と他で熱の差が出て寿命が短いとの話もあります。(ホント?)
4POD(6POD)という選択
足回りチューニング
E30チューナの「脚」という選択
■非常に懸命な選択であると思います。ここで話題にしているのは、ショックアブソーバとスプリングのことですが、ビルシュタイン+アイバッハのBTSキットや、KONI、オーリンズ、モンローなどのセットなどを装着すればそれなりの脚に仕上がると思います。このセット(キット)の魅力はE30にあわせてアフターメーカーがある程度テストを重ねて出した結果に伴う「安心感」があることです。ただ、小生が思うにそれぞれ個性が強いです。好みの脚をうまく選択できれば良いのですが、駄目なら最悪な状態になります。元々E30の脚は比較的「柔らかめ」で大きめなロールを利用して曲がっていくので持ち味が変わります。それを良しとするかどうかが決めてです。また価格が高めなのも欠点です。
国産車の「脚」という選択
■ここでも話題にするのはアブソーバとスプリングです。国産車の「足全体」を移植する話ではありません(笑)E30はAE86の脚を加工して入れるのが比較的ポピュラーです。(ホント?)アフターメーカーから減衰力調整式や、車高調整式が販売されているので面白い選択であると思います。同時に直巻きスプリングの装着が可能になるので、いろいろなレートのスプリングを試すことが出来ます。ただ総じて「硬い乗り心地」になります。それを「良し」とするならアブソーバも安価ですし、良い選択だと思われます。
E30 M3の「脚」という選択
■4穴を5穴にしてしまう、いわゆる「足全体」の移植です。はっきり言って高いです。効果のほどはどうなのでしょう?ストラット、セミトレの足に変わりはないので、M3のホイールが履けるのが主なメリットでしょうか?
やるならBOGEのオリジナルな脚ではなく、前述のアブソーバ+スプリング交換も必要です。
E36の「脚」という選択
■費用があって技術があるなら、これをやりたいですね。やはり足回りは設計が新しいものが良いです。マルチリンク式のサスペンションが装着可能であればこれが一番良いです。
軽量化
■軽量化は、エンジンパワーが増えるのと同じ効果があります。同じ出力のエンジンでも、ボディが軽量化されれば、パワーウィエトレシオは上がるのですから。レース車両の内装がないのは軽量化のためです。
知り合いのE30乗りが内装をほぼ全部剥ぎ取ったのですが、数十キロの軽量化が図れたとのこと。ただ、車検、一般の走行を考えると躊躇してしまいます。そういった場合、軽量パーツなどに換装するという手もあります。
カーボンボンネット・FRPボンネットという選択
■目立って楽しいのは、カーボンボンネット。標準の16kg前後のスチール製が、これで6Kg前後に軽減されます。ただ、ご存知のとおり、カーボンとはいってもドライカーボンなどという高級品ではなく、FRPのボンネットの上にウエットカーボンを広げてあるだけですから、FRP製のものとさして違いはないでしょう。
■また、ボンネットに限らず、トランクをFRP化することも可能です。ただし、FR車の場合、単純に軽量化すれば良いはずもなく、加重のかかるリアを軽くしてしまえば、グリップが不足することも考えられます。
軽量アルミホイール、インチダウンという選択
■アルミホイール。大体のドライバーは見てくれを考えてインチアップする。ホントは扁平率をあげてグリップ性能を高めるのが目的なんでしょうけど。このホイール意外と重いです。14インチが標準のE30にあって、16インチまで上げると、相当重い。バネ下荷重の軽減ってのは、バネ上の数倍効くっていうのが鉄則なので
あえて、インチダウン。かなりサスの追従性も変わってくるのではないでしょうか?(実際計画中)
■おまけに、ドイツのブランドをやめて、国産の比較的軽いホイールを選択すれば、16インチに比べて2Kg×4で8Kgほどの軽減になるでしょう。バネ下だから、数倍すれば数十キロの軽量化と同じこと。試す価値がありそうです。
■そうそう、タイヤもメーカーやブランドで重さが異なります。グリップ性能も推し量りながらなので単純に重量で比較できないのですが、けっこうポイントかも知れません。