正義と勝利の座談会 第2部 80 ソ連側の要望で実現したコスイギン首相との会見 04/09/18 首相池田先生がいる限り両国の友好は永遠 1974年 日本中が沸いたゴルバチョフ大統領との会見 歴史上初めてソ連の国家元首が訪日を表明 1990年 弓谷 池田先生の第1次訪ソ(1974年9月)の圧巻が、コスイギン首相との会見で すね。 鈴木 当初、首相との会見は、予定になかったのです。しかし、訪ソ中の先生の平和 への行動、友好への信念を通して、ソ連側の認識が、みるみるうちに変わっていっ た。そして急遽、日程の最終日に、首相との会見が実現したのです。 杉山 そうだったんですか。ソ連側も、ずっと見ていたんですね。 江藤 何よりも、コスイギン首相自身の強い要望があったと、後で聞きました。 鈴木 1時間半にもわたる、本当に素晴らしい会見でした。首相が「あなたの根本的 なイデオロギーは何ですか」と尋ねる。先生は即座に「平和主義であり、文化主義で あり、教育主義です。その根底は人間主義です」。すると首相は「この原則を高く評 価します。この思想を私たちソ連も実現すべきです」と。 秋谷 会見の模様は、私も詳しく聞いている。――ソ連側はコスイギン首相をはじ め、政府と党の首脳が、ズラリと席についている。ところが先生は、終始、泰然、悠 然としておられる。ソ連側の質問、問いかけにも電光石火で鮮やかに切り返していか れる。まるで火花を散らすような、やり取りの連続。先生のスピード、頭脳の回転の 早さ、当意即妙の対話に、ソ連側も思わず感嘆の声を上げていた――と。 鈴木 その通りです。そして先生は、この3カ月前に訪問した中国の印象を率直に 語った。中国で先生は、主にソ連からの核攻撃に備えた、巨大な地下防空壕を視察さ れ、中ソの緊張関係を実感された。そこで「中国はソ連の出方を気にしています。ソ 連は中国を攻めるつもりがあるのですか」と質した。首相は「ソ連は中国を攻撃する つもりも、孤立化させるつもりもありません」。さらに先生は「それを中国の首脳 に、そのまま伝えてよろしいですか」と確認。首相から「結構です」と明確な回答を 引き出したのです。 人間外交の神髄 江藤 先生は、その3カ月後の74年12月、再度、中国を訪問。コスイギン首相の 言葉を直接、中国のケ小平副首相(当時)に伝えておられます。あの中ソ間の危機の時 代にです。 秋谷 コスイギン首相は会見の終わりに、先生に、こう語ったそうだ。池田会長の おっしゃられたことに厚くお礼を申します。会長が提起した問題を考えていきます。 重要な友人の言葉です。どんな障害が生じても会長がいる限り、ソ日の友好は崩れな いでしょう。私は会長に会えてよかったと語っておられた。 弓谷 首相は自宅に戻ってからも令嬢に「今日は非凡で、非常に興味深い日本人に 会ってきた。大変複雑な問題に触れながらも、話がすっきりできて、うれしかっ た」。このように語っていたと、うかがっています。 鈴木 その通りです。先生は第2次訪ソ(75年5月)の際もコスイギン首相と再会を 果たされました。そして第3次訪ソ(81年5月)の折、首相令嬢のグビシャーニ女史 とも会見なさっています。首相が亡くなった直後でした。 江藤 グビシャーニ女史は、首相を偲んでの先生の訪問に「嬉しい、大変に嬉しい」 と心から喜んでおられました。どれほど父が池田先生を尊敬していたか。どれほど 先生に会いたがっていたか。私には、よく分かりますと、涙を浮かべながら語って おられた。そして家族全員で相談し、父の遺品を、ぜひ先生に、お贈りしたいと 申し出られたのです。 鈴木 それが首相の肖像のあしらわれた、クリスタル製の花びんです。首相が60歳 の時に社会主義労働英雄として贈られた貴重な品です。 秋谷 大切な記録として、東京牧口記念会館(八王子市)に展示されています。 歴代首相と対話 江藤 その後、池田先生は、ソ連、ロシアの時代を通じて計6度にもわたって訪問。 歴代首相をはじめ、ゴルバチョフ大統領、モスクワ大学の歴代総長などと対談を重ね てこられています。 秋谷 コワレンコ氏(元ソ連共産党中央委員会国際部副部長)は、こう証言している。 「(池田名誉会長は)ソビエト時代の3人の首相、コスイギン、チーホノフ、ルイシコ フ氏とも会見をされており、もちろん、3人の歴代首相と対話を行った日本人はいな い」と明言している通りだ。 弓谷 特に90年のゴルバチョフ元大統領との会見は、電撃的でした。あの会見で、 ソ連の国家元首の史上初めての訪日の意向が表明されたのですから。 秋谷 私も日本で、NHKの午後7時のニュースで見た(笑い)。当時、いつゴルバ チョフ大統領が訪日するかが、日本でも注目されていた時だった。 鈴木 会見の終了後、重大なニュースなので、先生自ら日本の報道陣への記者会見に 臨まれ、その内容を説明されたのです。 江藤 実は、先生と大統領が会見した前々日、当時の桜内義雄衆議院議長が大統領と 会見したのです。ところが、北方領土問題で決裂し、大統領の訪日については白紙に 戻りかけてしまった。 杉山 その時の模様は、長岡大学教授の中澤孝之氏の著書『ゴルバチョフと池田大 作』にも詳しく書かれていますね。 鈴木 中澤教授は、時事通信社のモスクワ支局長などを歴任された方だ。日本でも有 数のソ連、ロシア通の方です。 弓谷 中澤教授の本によると、大統領と桜内議長の会見に同行した、当時の駐ソ大使 の枝村純郎氏も、頭を抱えたそうだ。「ゴルバチョフは、日本側が領土問題しか取り 上げないのであれば、両・国政府間で協議されていた訪日は再検討せざるを得ないと 言い出した」と枝村氏は述懐している。それほど深刻な事態だった。 歴史的ニュース 鈴木 ところが、その2日後、先生が大統領と初会見された。そして、大統領は「で きれば、来年春、桜の咲くころに日本を訪問したい」という意向を先生に明かしたの です。大統領が訪日の時期を明言したのは、これが最初のことでした。 秋谷 まさに歴史的なビッグニュースだった。翌日の新聞各紙も1面トップで「ゴ大 統領、来春訪日を明言」(読売新聞)、「ソ連大統領、来春訪日を明言」(朝日新聞)等 と大々的に報道した。皆が驚き、また安堵した。 杉山 枝村氏も、当時の心境を「予想外の朗報」「正直、ほっとしました」と自著な どに綴っていますね。 江藤 実は、会見の前日だったと思いますが、先生と同じ宿舎に泊まっていた桜内議 長から、ご挨拶したいという申し出がありました。しかし、先生が議長を訪問し民 間の立場ですけれども、明日、ゴルバチョフ大統領との会見に臨んでまいりますと 礼儀を尽くされたのです。 杉山 ああ、そういうことがあったのですか。 ゴ大統領も激怒 弓谷 先生とゴルバチョフ氏は、これまでに8度、会見されています。私も93年、 創価大学4年生の時に、創大記念講堂で行われた、ゴルバチョフ氏の名誉学位就任の 記念講演会に参加させていただきました。光栄にも、その際、私からゴルバチョフ氏 に「創価友誼之証」を贈呈させていただきました。 江藤 先生とゴルバチョフ氏の対談集である『二十世紀の精神の教訓』も、日本語、 ロシア語のほか、ドイツ語、フランス語、イタリア語、韓国語、中国語の7言語に翻 訳・出版され、大反響を呼んでいます。 鈴木 本当に深い友情を結んでおられる。それを妬んで、ゴルバチョフ氏と会うため に、あろうことか「学会が数十億円もの金を使っている」などと、デマで中傷したバ カな売文屋もいたな。 秋谷 バカバカしい!そんな大金、どこから出せるんだ。もし「金を出した」のな ら、税務署が克明に調べている。そもそも学会は、何によらず、お金を出す場合は、 宗教法人法、学会規則に則り、責任役員会の議決や所定の手続きをきちんと踏まなけ れば、できないことになっている。そんなことも知らないのか(笑い)。 弓谷 だいたい「金で買った」と言うんだったら「いつ」「どこで」「誰が」「誰 に」「いくら払った」のか。具体的に事実と証拠をハッキリ挙げて書くべきだ。それ が何一つ、ないじゃないか。それこそデマの証拠だ。 杉山 当時、学会の広報室が抗議したら、全く何も言わなくなった(笑い)。本当に愚 劣だ。 弓谷 だいたい学会には何も取材していない。事実の確認もしない。こんなの、狂気 の沙汰だ。日本の恥だ。 江藤 ゴルバチョフ氏も、こういう類のデマには、本当に怒っておられた。失礼千万 な話だ。 弓谷 ドイツの詩人ハイネは、こう喝破している。「人間が偉大になればなるほど、 中傷の矢に当たりやすくなる。小人には中傷の矢さえ当たらない」まさに日本の嫉妬 社会のことじゃないか。 破邪顕正 権力者は「阿片」好き 宗教は人間の魂を変革し、その魂が社会を変える。アメリカ公民権運動の指導者キン グ博士の信念である。創価学会の「人間革命」の哲学と、鋭く響き合う。逆に、社会 と関わりを避け、隠微な世界に閉じこもる宗教を彼は「人民の阿片」と断じた。日本 の為政者や一部マスコミらは、どうも、この「阿片」の宗教の方がお好きらしい。平 和・文化・教育、そして政治・経済――あらゆる分野に精神の活力を送ることこそ、 宗教の使命だ。 21世紀の日本で、その最大の光源が学会である。この大前進に嫉妬した議員らいわ く「宗教は政治に首を突っ込むな」「山にこもって修行でもしておけ」「一宗教団体 の政治支配」等々。彼らは宗教に「阿片」であってもらいたいのだ。民心を奴隷のよ うに弱々しくしたいのだ。だから、民衆を励まし、強く、賢くする生きた宗教が、憎 くて憎くて仕方ないのだ。辻元(逮捕・落選)、白川(3度連続で落選)、管(党代表辞 任)ら強権政治家の暴言と顛末は、この邪見が、いかに人間を狂わせるかを物語っ た。 宗教否定の唯物党の党首が、寺仏教の坊主を集めて媚を売った狂態も、記憶に新し い。キング博士いわく「人間は、各自の狭い、個人的な関心事という枠を超えて、よ り広い全人類の関心事に心を向けたとき、初めてこの世に生きていると言える」(梶 原寿ほか訳)この雄大な哲学と行動が今、学会以外のどこにあるか?日顕宗ら、人民 を「阿片」漬けにする邪教。そこから票をとる邪党。このもたれ合いを叩き斬る創価 の舌鋒は、アヘン日本への大折伏だ。