新・人間革命  緑野 四十五 (3172) 「茨城県スポーツ祭」の会場には、鉢植えのアヤメが、美しく咲き誇っていた。  この日、山本伸一は記念撮影の折、茨城の新しい前進のために、四つの指針を示した。  その第一は「求道の茨城」である。  茨城の県民性として、正義感が強い反面、怒りっぽい、理屈っぽいなどと言われ、我が  強いことが指摘されてきた。  独り善がりであれば、信心の成長はない。「心の師とはなるとも心を師とせざれ」(御  書一〇二五ページ)というのが、仏法者の生き方である。  どこまでも謙虚に、一途に、法を求めるなかに自身の成長もあり、広宣流布の大きな伸  展もあるのだ。  第二は「団結の茨城」である。  われらの団結は、広宣流布という、人びとの幸福と郷土の繁栄を願う心の結合である。  そして、それは自分の心を開き、周囲の人びとを、尊重することから始まる。  その精神が地域に広がってこそ、未来を築く、新たなる人は共同体の建設も可能になる  のだ。  第三は「行動の茨城」である。  大聖人は、自らを「法華経の行者」と言われた。行者とは行動の人のことであり、行動  してこそ、真実の仏法者であることを示している。  風が吹けば波が立つように、行動を起こせば状況は変化する。行動は壁を破り、自分の  境涯を開く力である。  行動の人には、あきらめはない。行き詰まったように見えても、行動のなかから、常に  新しき道が開かれるからだ。  第四に「人材育成の茨城」である。  広宣流布の緑野とは、人材の園でもある。そして、人を育んでいくなかにこそ、自身の  成長もあるのだ。  後輩を育てるには、先輩は率先垂範の行動をもって、触発していかなくてはならないか  らだ。  また、人を育成するには、私心を捨て、自分を犠牲にしても後輩を守り、育もうと決め  ることである。その心が定まってこそ、人を大きく包容することもできるし、相手のた  めを思い、鋭い指摘もできるのである。  ――伸一が示した、この指針は、梅花薫る関東の先駆け″茨城の新章節を開く、力の  源泉となっていったのである。 名字の言 2005.9.8 ▼アメリカで最初の女性国会議員となったジャネット・ランキン女史。女性参政権の運動 家としても活躍した ▼20世紀の初め、男性中心の社会。女史は無理解をものともせず、平等な参政権を訴え た。議会でも熱弁を振るった。州憲法の修正を問う選挙では、1日80`以上も動き回り、 行く先々で演説。小人数の集会を数多く開いて、聴衆を味方に。ついに女性の参政権を勝 ち取った。女史の訓戒は「前進! 前進!また前進!」だった(『絶対平和の生涯』小林 勇訳) ▼歴史家トインビー博士は80代になっても、仕事の意欲がわこうが、わくまいが毅然と 机に向かった。生涯「さあ、仕事を続けよう!」と行動を貫いた ▼作家サン=テグジュペリの言葉。「この人生には解決策などないんだ。あるのはただ、 前進してゆく力だけだ。その力を創造しなければならない。そうすれば解決策などひとり でに生まれてくる」(山崎庸一郎訳) ▼前進するから人生を勝利できる。幸福になる。「人間革命」を可能にする大聖人の仏法 は、前進するための信仰だ。戸田第2代会長は「人生は強気でいけ!」と師子吼された。 大闘争の決勝点は近い。勇気あふれる対話で最後まで前進を続け、自他共の勝利と幸福を つかみたい。 (知) 北斗七星 2005.9.8 ◆戦いのとき、必ず出てくる言葉に「乾坤一擲」がある。出典は、唐宋八大家の筆頭・韓 愈が、「漢楚の戦い」に思いを馳せて、「鴻江を過ぐ」と題し詠んだ詩 ◆鴻江を境に天下を二分した漢の劉邦と楚の項羽。劉邦は、軍師の張良、陳平の策を入れ、 天下をかけて、のるかそるかの勝負に出て勝ち、漢帝国を築いた。乾坤とは、天と地のこ と、一擲は、一度に全てをなげうつことを意味する。つまり運命をかけた大勝負のことだ ◆西欧の諺で有名な「サイは投げられた」「ルビコンを渡る」も同様に、政敵を討つため、 ローマに攻め入り勝利したシーザーの戦いに由来する ◆最終盤の戦いとなった第44回衆院選は、「改革」の前進か後退か、をかけた乾坤一擲 の戦いだ。口先ばかりの民主党に政権を渡すわけにはいかない。自公で過半数を取り、国 民のための「改革」を着実に進めていかねばならない ◆だが、公明党を取り巻く情勢は厳しい。1議席を競り合う小選挙区は、まさに「漢楚の 戦い」そのもの。「石にかじりついても勝つ」。9候補は、議席死守に向けて死闘を続け る ◆投票日まで、あと3日。戦いは、「勢い」のある方が勝つ。ナポレオンは言った。「戦 いは最後の5分間にある」と。小選挙区、比例区合わせて、解散時の34議席以上の獲得 を目指し、執念で、敵陣を攻めて攻めて攻め抜く大攻勢を。 (尚) ☆「わが友に贈る」☆ 完勝の峰へ 最後の最後まで 悔いなく押し切れ! 広宣流布のために! ―9月8日―