月刊
98パンフレットマガジン

1998年9月号(第九号)



 Windows95日本語版の発売と同時に出荷されたのが、現在、NECの主流シリーズとなったVALUE STARシリーズです。
 最初の頃のパンフレットには、「98MATE VALUE STAR」となっていましたが、後半から「VALUE STAR」のみの記載になってしまい、完全に98MATEシリーズから独立した形になりました。価格も安く、モニターセットで豊富なインストールソフトと、初心者ユーザーには申し分が無かったのですが、マニアユーザーにとっては、PCIバスが1スロット、貧弱なビデオチップと、マイナス面が目立ってしまいました。でも、Pentium搭載のPC-98では、VALUE STARを所有しているユーザーが一番多いでしょう。今後、名誉挽回のVALUE STAR(MMX搭載シリーズ)も登場し、PC98-NXに移行した現在でも、主力機と言えるでしょう。


懐かしの名機シリーズNo.5


 
NECが初めてコストパフォーマンスを強調したPC-98がPC-9801UR/UFです。
 FDD1基とRAMDiskを搭載したものがURで、FDDを2基搭載しているがUFです。コンパクトな筐体にFM音源を内蔵しているので、ゲームマシンとして普及するかと思われましたが、CPUが高速改良型のV30HL(16NHz)だったので、386が普及した時期としては、見劣りしました。また、当時ゲームマシンとして値段も手頃に購入できるものは、何と言ってもPC-386Pでした。全然出荷されなかったPC-98です。
※懐かしの名機と呼べませんでした・・・。


Intel OverDriveプロセッサ特集


 インテルは、この当時486CPUの普及に積極的でした。理由は、互換CPUの勢いが強かったからです。AMDやCyrixの486SLC/DLCが思ったよりシェアを広めていったからです。PC-98でも、386SX/DXマシンに基本的にはそのまま載せ換えるだけで、486マシン相当の性能が手にはいるのですから、486マシンを買う理由が無くなります。特に、486SLC2/DLC2等の倍クロックタイプが登場し、インテルはついに、大幅にCPUの値段を下げ、この業界としては初めての486CPUのTVCMを行うほどでした。ここでついにODPが登場しました。DX2と同じもので、16/20MHz用が12万円、25MHz用が15万円でした。今考えると、サギの様な価格ですが、当時としては安い位でした。「DX2マシンがこの値段で買えるとは!」という感じです(笑)。性能は、本物のDX2ですから、処理向上の体感は十分にありました。実際、僕も486SXマシンをDX2にした時、とても感動したものです。


懐かしの名機シリーズNo.6(EPSON 98互換機特集 第2回目)


 最強のi80286(16MHz)を搭載し、低価格を実現したのがPC-286VJです。
 この当時、386マシンはまだ高価で、ハイエンドユーザーのものでした。廉価版の386SXでさえも、初心者ユーザーにとっては、手に入れにくいものでした。そのうえ、当時シェアNo1のNECも、386CPUへの移行に積極的で、286マシンはPC-9801DXのみとなってしまいました。そこをEPSONは値段が安い286マシンを、まだ積極的に販売し、ユーザーを満足させるi80286最強の16MHz版を採用しました。12MHz版搭載の9801DXより9万円安く、外部FDD機能等の機能拡張が図られ、286搭載のPC-98より魅力的なマシンでした。


 i386SXを搭載しながら、30万円を切る低価格を実現したのが、PC-386Pです。
 意外にもこのマシンは人気がありました。理由は、値段が安いのももちろんですが、標準でEPSON独自の256色表示機能を搭載していたからです。この256機能は、大手18禁ソフトメーカーの「アリスソフト」がこの256色に対応したので、ゲームユーザーには、とても魅力的な機種でした。代表的なゲームに、256色専用の「夢幻泡影」や256色対応の「ランスW」等があります。このコンパクトな筐体にも愛着が感じられるマシンでした。僕もとても欲しかった一品でした。


今月のコラム(第2回目)

現在のコストパフォーマンスに優れたマシンについて考えてみる。

 現在、AT互換機の自作機市場で最もコストパフォーマンスに優れた組み合わせは下記のスペックでしょう。

CPU Celeron(300AMHz)
メモリ 64MB(SDRAM)
キャッシュ 内蔵128KB(BSRAM)
チップセット 440BX AGPset
ビデオカード G200(SGRAM8MB)
HDD 4.3GB(UltraATA)
CDドライブ 内蔵32倍速(ATAPI)
音源 AWE64互換ボード等
OS Microsoft Windows 98

 このスペックを基本とし、マウスにキーボード、ケース等の価格を抑えれば、10万円以下で、3Dゲームが快適にプレイ可能なマシンが作れる様になりました。もちろん、Voodoo2を搭載した方がGlide専用ゲームがプレイでき、Direct3D対応ゲームも快適にできるので、搭載したいボードですが、G200でも、Glideはできませんが、Direct3D対応ゲームなら快適にプレイできるので、無理してGlideにする必要はないでしょう。もちろん、お金があるのならばGlideですが・・・。
 また、キャッシュ付きのCeleronは大反響でして、コストパフォーマンスが非常に良くなりました。キャッシュ無しの時は、処理内容によっては同クロックのMMXPentiumより処理が遅いという現象になりましたが、キャッシュ付きCeleronの場合は、容量こそ128KBしか積んでいませんが、CPUと同クロックでのアクセスなので、処理内容によっては同クロックのPentiumUより処理が速い場合がある様です。ですから、PentiumU233〜333MHz版はそろそろ姿を消すでしょう。よって、ベースクロックが100MHz用のCPUはPentiumU350〜450MHz、66MHz用はCeleron266〜333MHzという位置付けに今後はなります。
 自作機は同スペックのメーカー品と比べて、半額近い値段で買う事ができます。その分、故障した時等の保証は無しで、PCが一気(連鎖的)にパーになった時、痛い目に遭うと思います。でも、とても安く購入できるのですから、その辺は割り切って諦めるしかありません。逆にメーカー品の場合は、保証期間内であれば完全に直してくれますから、万が一の場合でもとても安心です。また、保証期間外でもソフマップ等の大手量販店では、ワランティシステムと呼ばれる保険を利用すれば5年間の無償修理が約束され、そのPCの修理代を考える必要はありません。5年目以降は新しいPCを購入している可能性が高いので、気にする必要は無いでしょう。従って、自作機かメーカー製かは、マシンのスペック・コストパフォーマンスを取るか、安全性・安心を取るかという事ですね。