月刊
98パンフレットマガジン
1999年1月,2月号(第十三,十四合併号)
懐かしの名機シリーズNo.10(EPSON 98互換機特集 第5回目)
i80486DX2(66MHz)を搭載し、398,000円の定価を実現したのが、PC-486HXです。
この486HXはコストパフォーマンスにすぐれ、本家NECの98MATE Aシリーズの対抗機種として登場しました。Socket3を採用した事により、Pentiumオーバードライブプロセッサによるアップグレードに対応し、Intelより公認を業界で初めて受けました。PCIバスアーキテクチャーの採用、640×480ドット16色のサポートと高速ビデオ回路の搭載、FDDドライブやインターフェイスは省かれていない等、98MATE Aシリーズには無い魅力を備えていました。ところが、PCIバススロット(2基搭載)に限っては、EPSON独自形状だったので全く普及せず、拡張ボードは純正品しか存在しなく、サードパーティにも見放されてしまったスロットでした。理由は、当時はPCIバスが発案されたばかりで仕様が完全には決定されていなく、スロット形状は未決定のままでした。そのため、すぐにでもPCIバスを使用したかったEPSONは独自の形状をやむを得ず採用したのです。結局、現在の形状はAT互換機が採用し、本家NECもPC-9821Xa,XtでAT互換機と同じ形状でPCIバスを採用し、EPSON形状は不発に終わったのです。ちなみに、i80486DX2(50MHz)を搭載したPC-486HGもありましたが、ベースクロックが25MHzだったので人気がありませんでした。このハイエンドクラスのPCではむしろ、ベースクロックが33MHzでi80486DX2(66MHz)搭載の方が好まれる傾向でした。オーバードライブプロセッサでアップグレードする際、IntelDX4(100MHz)やAMD5x86(133MHz)等を搭載できるのも、HXの方が有利です。もちろん、その後PentiumODPが登場し、HXはPentium83MHz相当、HGはPentium63MHz相当へのアップグレードが実現しました。しかし、PentiumODPはクロック周波数が低く、IntelDX4(100MHz)のコストパフォーマンスにも圧倒され、それほど話題にはなりませんでした。余談として、Intel製のODPはIntelDX4ODP(100MHz版or75MHz版)が最も注目を浴び、大ヒットしました。33MHzが100MHzになるので、当たり前ですね。最後に、HX&HGの命運もSE&SRと同じく、Mate Xの前には勝てなく、EPSON98互換機衰退期を迎える事になるのです。
「一気に100MHz領域へ。」このキャッチフレーズに当時は感激したものです。IntelDX4(100MHz)の登場は、夢のCPUが登場したと言っても過言ではありませんでした。当時、Pentiumは一応出荷されていましたが、Pentium搭載PCの値段が非常に高く、クロック周波数も66MHz版が最高だったので、アプリケーションによってはIntelDX4(100MHz)の方が速い場合がありました。それでいて、値段が2/3位だったので、コストパフォーマンスに優れたCPUでした。PC雑誌で「Pentium vs DX4」などという記事もよく見かけたものです。上記の様な夢のCPUをいち早く採用したのが、PC-486HAでした。仕様はHXと同じで、単純にCPUをIntelDX4(100MHz)にし、セカンドキャッシュメモリ128KBを標準搭載しました。ちなみに、この同時期にHX&HGに標準でハイレゾリューションモードを搭載し、標準価格を大幅(約10万円)に下げました。しかし、結局・・・衰退期に・・・。
Intel OverDriveプロセッサ特集(第2回目)
上記のHA紹介の時に絶賛したIntelDX4ODPのパンフレットです。IntelDX4ODPは、InteliCOMPIndexというIntel独自の値でも、アップグレード率が目に見えてわかり、実際にPC上においても、体感は驚くほどありました。DX2やSX2ODPにでも高速感は十分あったのに、それをよりいっそう快適になる夢のODPでした。当時のPCはベースクロックの倍率が2倍、3倍と現在より低いので全体のシステムパフォーマンスへの影響がかなり大きいために体感できるほどの差が現れるのです。実際に数値で表してみると、
HDDアクセス等その他 | メモリアクセス | CPU演算 | システム全体 | |
i80486DX2(66MHz) | 100 | 100 | 100→50(2倍速) | 250 |
AMD-K6-2(333MHz) | 100 | 100 | 100→20(5倍速) | 220 |
100あったものが2倍速で50に。3倍速で33に。4倍速で25に・・・。CPUのベースクロックに対する倍率が上がるにつれ、全体のシステムパフォーマンスの上昇率が下がっていくのです。ですから、一番実感があるのは2倍〜3倍位でしょう。現在のPCは倍率が非常に高いので、CPU処理を主にしているソフトウェアでないと、倍率が少し上がった位では実感がありません。3DゲームはCPU処理に大半を締めるので、唯一実感があるソフトウェアと言えるでしょう。そのため、現在はようやくベースクロックが100MHzが標準になり、今後は133MHzになろうとしているのです。
オペレーティングシステム特集(第2回目)
マイクロソフトで唯一真の32ビットOSであるのが、WindowsNTです。
Windows98は16ビット部分(特にDOS環境)を多く残していますが、NTは16ビットコードを完全に排除しました。DOS環境に関してはエミュレートをする事によって使用できますが、あくまでエミュレートなので、使用できないDOSソフトウェアが多く、直接ハードウェアを制御している場合は、NTの制約上動作しません。ですから、DOSは使えないと思ってもいいです。NTの初めてのVersionは3.1で、Windows3.1と同じ位置づけのためです。その後、3.5、3.51、4.0と続きます。この3.1は大変不評で、ごく一部の企業に導入された位でした。不評の理由は、とくかく”重い”からです。当時の最高機種は、i80486DX(50MHz)で、それを使用しても快適とは言えませんでした。処理動作が改善されたのは3.51からで、特に4.0では同じソフトウェアでも、Windows95よりNT4.0の方が処理が快適になります。WindowsNTは3.51から普及し、4.0では一般ユーザーも強固なWindowsとして導入している場合が多くなりました。実際に、アプリケーションの不正な処理によるPCの完全ダウンも少なく、マイクロソフトがネットワークOSと言っているだけの事はあります。また、将来WindowsNTはVersion5.0で、通常のWindows(95や98)と一体化され、Windows2000として登場します。Windows98とNT4.0のそれぞれ長所が結合し、さらなる機能が追加された2000は、マイクロソフトは最強で究極のOSと呼んでいます。