月刊
98パンフレットマガジン

2000年1月号(第二十五号:新春特大号)


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 クリエイティブキャンビーの最高峰の機種であり、事実上シリーズ最後のラインナップとなったのが、タワー型のPC-9821Ct20と一体型のPC-9821Cu16です。
 前機種のCt16、Cu13との違いは型名の通り、Pentiumのクロックがそれぞれ1ランク上がりました。個別に見ると、Ct20は搭載メモリが16MBから32MBにアップされ、CD-Rドライブが標準搭載になりました。Cu16はHDD容量が1.2GBから1.6GBにアップされました。ただし、両機種ともグラフィックチップ(ProVidia9685)の変更はありませんでした。現在のPC98-NXシリーズにCanBeシリーズのラインナップは発表されていなく、ラインナップの見込みはほとんど無いので、このCt20とCu16が「最後」と言えるCanBeになりました。また、PCIバススロットを備えながらも拡張性が非常に悪いので、残念ながらPC-98ファンからも見放される存在になりました。ちなみに、カタログは上の通り2種類存在しますが、中身の違いはありません。余談として、MMXPentiumを搭載していれば、もっとマルチメディアPCになれたのに・・・。


懐かしの名機シリーズNo.15(EPSON 98互換機特集 第6回目)

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 NECの98MULTIに対抗した製品として登場したのが、UpGradeMULTIシリーズ、PC-486MUです。
 MUの最大の特徴は何と言っても、CPUソケットにSocket3を採用し、PentiumODPによるアップグレードを保証した事です。当時、486CPUの時代は、CPUアクセラレータやODPによるCPUのアップグレードが盛んになった頃で、Intel自身、自社製ODP(DX2/SX2/DX4等)によるアップグレードを強く宣伝していました。ところが、シェアNo.1のNECは、CPUのアップグレードをそれほど好まず、実際にアップグレードの保証を始めたのは、二代目フェロー(PC-9801BX2/BS2/BA2)の時からでした。そこに目を付けたのがEPSONです。PC-486GRの時から、アップグレードを保証し、98MULTIに対抗するこの製品も非常に力を注ぎました。余談ですが、PC-486GRはCPUボードを交換する事により、Pentium60MHzまでアップグレード可能です。話によると、そこにパワーリープ社の変換下駄を利用し、K6-2を載せている究極のEPSONファンの方もいるとか。本題ですが、パンフレットの中身を見てみる(掲載できずに本当にご免なさい)と、アップグレードの事が真っ先に紹介(CPU、CDドライブ、メモリ、HDDの事)されています。最後に、アップグレードの事ばかりに注目していましたが、標準スペックも本家NECを上回るスペックとなっていました。特に注目なのがグラフィック機能で、当時のPC-98シリーズではサポートしていない、800×600ドット表示が可能でした。サウンド機能もPC-9801-118ボード相当(当時はまだ発売されていません!)のものを装備していました。

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 PC-486MUからCDドライブを外し、サウンド機能をPC-9801-26Kボード相当(いわゆる標準FM音源)にして、廉価版としたのがPC-486MR、そのMRのCPUを単純にi486DX2(SLエンハンスタイプ)にしたのがPC-486MSです。他には、MRとMSのHDDモデルにおいて、前者が200MB、後者が300MBという違いがあります。やはり、PC-486MUの存在が大きかった為、MR/MSの知名度は今一でした。

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 NEC、PC-9821Anや、Xnに対抗して登場したのが、EPSON最後の主力シリーズとなるUpGradeWinDESKシリーズ、PC-586RA、PC-586RV、PC-486RSです。特に98ユーザーにとって最も驚いたのがRAとRVの価格。RAは最新の90MHz版のPentiumを搭載しながら、398,000円というのは驚異の安さでした。RVも60MHz版のPentiumで288,000円というのも驚きです。グラフィックチップは、RVはシーラスロジック社のGD5429、RSはGD5428で、VRAMは共に1MBです。全体的にRV/RSは
PC-486MU/MR/MSと類似している機種でした。ところが、RAはRV/RSと異なり、当時としては最高クラスのVision964を搭載。VRAMをさらに2MB増設して合計4MB(当時は大容量です)にする事が可能でした。サウンド機能は全機種ともPC-9801-86ボード相当を搭載していましたが、MIDI&ジョイスティックインターフェイスが付いていて、本家NECより一枚上手の仕様でした。が、お気付きかもしれませんが、全機種ともPCIバスアーキテクチャーでは無いのが最大の弱点なのです。そのため、CPUは現在でもRAに限ってはMMXODPは対応機種ですし、K6-2等に換装できる様ですが、グラフィックはパワーアップさせる事ができないのです。唯一の頼みのCバス用グラフィックボードでは、逆にパワーダウンしてしまいます。残念ながら、32ビットバス(独自の内部専用)で接続された各機種の内蔵グラフィックチップが最強という事になります。余談ですが、本家NECのPC-98でさえパワーアップに制限があって厳しい現状なのに、より厳しいEPSON98互換機をこよなく愛している方々が大勢いて、秋葉原でもEPSON機種の在庫が品薄になっています。EPSON98互換機ファンの熱心さはすごいですね!