月刊
98パンフレットマガジン

2000年8月,9月号(第三十二,三十三合併号)



 前回のPC-9821Ra266とPC-9821Xa200がWindows98の優待販売だった頃のパンフレットなのに対し、上記のものはWindows98プリインストールモデルとして販売されたもののパンフレットです。特にハード的な仕様や価格の変更はありません。


 PC-9800シリーズで最後の名機となったPC-9821Ra333とPC-9821Ra300です。
 CPUにCeleronが搭載され、その事が名機となる理由になりました。なぜならば、前機のRa266からマザーボードの大幅な仕様変更やVGAが変更された等は全くありませんが、BIOSがCeleronに対応したという事でCPUのアップグレードに柔軟に対応した事が理由です。つまり、高クロック版のCeleronに換装したり、PentiumIIIに換装する事も可能です。もちろん、Coppermineコアにも対応します。FSBが66MHzという事で、Coppermineコアの高クロック版Celeronに換装するのが一般的なアップグレードです。
 2000年9月現在、CoppermineコアのCPUに換装した場合、最強のPC-98であると言えます。これも、440FXチップセットを搭載しているからこそ、P6アーキテクチャーの恩恵が受けられるという事です。


NEC PC98-NX特集(第2回目)


 PC-9800シリーズと同様に、PC98-NXシリーズの主力シリーズとなるVALUE STAR NXシリーズです。
 2000年9月現在は、各シリーズ名に’〜NX’というのが付加されなくなりましたが、つい最近までは’〜NX’というのが全シリーズに付加されていました。
 CPUはVS30、VS26、VS23にはそれぞれPentiumII300MHz、266MHz、233MHzが搭載され、VS20、VS16にはMMXPentium200MHz、166MHzが搭載されました。VGAはMMXPentium搭載のVS20とVS16がシーラスロジックのGD5465が搭載され、PentiumII搭載のVS30、VS26、VS23には当時高性能の部類に入るnVIDIAのRIVA128が搭載されました。但し、RIVA128ではVRAMが4MBのモデルでは問題無いですが、2MBのモデルではRIVA128の仕様でパフォーマンスが低下するという症状がありました。しかし、VRAM増設スロットが用意されていたので、気になる場合は本来のパフォーマンスにする事が可能でした。VGAに限ってはNXに対するNECの意気込みが感じられました。ちなみに、当時最新のNXシリーズという事なので、UltraATA/33、USB、ACPI、AGP、PCI等、最新技術のフル装備マシンでした。


 PC-9800シリーズと同様に、PC98-NXシリーズの企業向けシリーズとなるMate NXシリーズです。
 CPUはMA30、MA26、MA23にはそれぞれPentiumII300MHz、266MHz、233MHzが搭載され、MA20、MA16にはMMXPentium200MHz、166MHzが搭載されました。VGAはMMXPentium搭載のMA20とMA16がシーラスロジックのGD5465が搭載され、PentiumII搭載のVS26、VS23にはnVIDIAのRIVA128が搭載され、VS30には当時最高性能の部類に入る3DLabsのPERMEDIA2がVRAM8MBで搭載されました。最上位機種を除き、ラインナップ的にはVALUE STAR NXシリーズとほぼ同様で、企業に導入されるのがメインのMate NXシリーズは筐体のデザインがシンプルなイメージがあります。ちなみに、NXシリーズで採用しているマザーボードの規格はインテルが起案したNLXです。


 PC-9800シリーズでPC-9821Rs20という機種があり、その後継機がMateServer NXです。
 CPUはSV30、SV26にそれぞれPentiumII300MHz、266MHzが搭載されました。VGAはnVIDIAのRIVA128が搭載されました。このMateServer NXで特に注目するのが最初で最後の販売となった事です。これにより、PC-9800とPC98-NXの両シリーズを合わせても3機種しか存在しませんのでとてもプレミアな機種となっています。販売されなくなった理由として、もともとNECのサーバー向け機種はExpressServerシリーズに力を注いでいて、尚かつ圧倒的に知名度が高いのですが、販売促進の為、コンシューマー向けサーバー(廉価版)として位置付けてMateServer NXを販売したものの、全く売れなかったというのが原因です。
 個人的な意見として、MateServer NXは、本来のサーバー仕様で考えるのであれば、信頼性等が非力ですし、個人がダイアルアップサーバー等を欲しい場合は、別にMateServer NXを買わず、普通のPCでも十分可能ですし、つまり、位置付けにとても無理があったシリーズでした。


 PC98-NXシリーズが登場する数ヶ月前、PC-9800シリーズで最後の新シリーズが登場しました。それが98Fineでした。その98FineのNX版がFine NXです。
 CPUはFN23、FN20にそれぞれMMXPentium233MHz、200MHzが搭載されました。VGAはノートPC用のチップ(有名では無い)が搭載されました。このFine NXで特に注目するのが最初で最後の販売となった事です。これにより、PC-9800とPC98-NXの両シリーズを合わせても4機種しか存在しませんのでとてもプレミアな機種となっています。販売されなくなった理由として、時代が早すぎた事が最大の原因と言え、当時の主流のPCと言えば文句無しにデスクトップ型PCでした。もし、2000年9月現在なら大ヒットした可能性があります。良い例がSimplemシリーズで、現在の省スペースPCブームを考えれば納得がいくはずです。
 余談ですが、パワーユーザー(自作派)がタワー型というのは今も昔も変わりませんが。


 PC98-NXシリーズで新登場した、NetFine NXのNF16です。
 CPUはMMXPentium166MHzが搭載され、VGAはノートPC用のチップ(有名では無い)が搭載されました。このNetFine NXで特に注目するのが、NXシリーズが販売されてから数年間は、リリースされていましたが、最近はめっきり音沙汰が無いという事です。これも上記のFine NXと同じ理由が言え、時代が早すぎた事が最大の原因と言えるでしょう。NetFine NXを見るとビックリする位、現在の省スペース型デスクトップPCと同型ですよね?液晶ディスプレイにスリムタワー型の本体という構成なのは。まさしく現在の人気のモデルそのものです。ですが、これも当時の人気主力シリーズとはコンセプトが違う為、という事でしょう。