月刊
98パンフレットマガジン
2001年8月,9月号(第四十四,四十五合併号)
懐かしの名機シリーズNo.25(EPSON 98互換機特集 第9回目)
i486SXを搭載しながら、30万円を切る低価格を実現し、前機種PC-386Pの後継機がPC-486Pです。
前機種PC-386Pは人気がありましたが、後継機PC-486Pはそれ程人気がありませんでした。理由は、この時、既に本家NECから98FELLOWが登場していた為、30万円を切ると言っても278,000円では太刀打ちできません。又、386Pが標準でEPSON独自の256色表示機能を搭載しているのに対し、486Pはカタログ上では256色表示が表記されておらず、搭載されていないかの様に思われますが、実際には搭載されていました。尚、表記されていない理由は不明です。この256色機能は、大手18禁ソフトメーカーの「アリスソフト」が対応していたので、98ゲームユーザーにとってとても魅力的な機能であり、コンパクトで256色というのが最大の特徴です。256色対応の代表的なゲームに、256色専用の「夢幻泡影」や256色対応の「ランスW」等がありました。僕個人としては前機種386Pには愛着が感じられ、とても欲しかった一品でしたが、あまりにも98FELLOWに圧倒された為か486Pには魅力が感じられませんでした。
98MATEに対抗するべく登場したのが、PC-486GRSuperとPC-486GR+です。
以前、GRSuperのパンフレットは掲載しましたが、GR+は掲載していなかったので、急遽掲載しました。
大ヒット機種、486GRの性能をそのままに、定価を下げたのがGR+、定価据え置きでCPUをi486DX2(50MHz)に性能を向上させたのが486GRSuperです。両機種ともハイレゾリューションモードを標準で装備し、メモリも45.6MBまで搭載できる様になりました。しかし、98MATEの存在は大きく、486GRで好調だったEPSONが、一気に後退した時でした。実際に、98MATEの方が性能や機能に魅力がありました。
本家NECのPC-9800シリーズで、特に対抗するシリーズが無くて登場したのがPC-486PTです。
現在はPDA等の携帯型情報端末(PC)がとても注目を浴びていますが、この当時は何と言っても液晶画面が高価であった為、携帯型でお手軽製品というわけにはいきませんでした。それを廉価モデルにしようとするとどうしても安価なモノクロの液晶画面になってしまい、そういった理由等から当時は注目を浴びませんでした。486PTはCPUにSLエンハンスi486SX(25MHz)を搭載しPC-98アプリケーションが普通に使用できるので携帯型PC-98といえるものでしたが、上記の問題の時期に登場した為か全く売れませんでした。
懐かしの名機シリーズNo.26(98NOTE特集 第9回目)
OSにWindows95を搭載し、ノートPC主力シリーズして登場したのが、150MHz版Pentiumを搭載したPC-9821Na15、133MHz版Pentiumを搭載したPC-9821Na13です。
このNaシリーズの最大の特徴は今後の主力シリーズになるNrシリーズには無い機能、118音源相当のFM音源を搭載している事が最大の特徴と言っても過言ではないかもしれません。なぜなら、PC-98ユーザーは現在でもDOSゲームをプレイしている人が多く、特にノート型でコンパクトにDOSゲームを楽しみたい、なんていう方も少なくはないでしょう。そうなると、通常のNrシリーズを購入しDOSゲームをプレイする場合、最初に訪れる難関がFM音源カードの問題です。一応、サードパーティー製で26K互換音源を搭載したPCカードも存在したらしい(僕自身憶えていないです)ですが、そのカードの入手が非常に困難な事があります。また、キュービジョン製のCard86-Rという86音源互換のPCカードも存在しましたが、こちらも同様に入手困難です。ですから、音源の問題を考慮すると、DOSゲームをプレイする場合は必然的にNrシリーズよりNaシリーズになります。ちなみに、118音源は86音源とは互換性がありませんが、26K音源とは互換性があります。よって、26K音源対応のDOSゲームは音が鳴ります。但し、ゲームによっては86音源個別対応のものが多々有りますが、それらに関しては残念ながら音が鳴りません。
FM音源が搭載されているNaシリーズに対し、今後の主力シリーズになったNrシリーズの150MHz版Pentiumを搭載したPC-9821Nr15、133MHz版Pentiumを搭載したPC-9821Nr13、120MHz版Pentiumを搭載したPC-9821Nr12です。
この時からようやく12.1インチが液晶画面の標準サイズになり、高級モデルがTFTタイプ、廉価モデルがDSTNタイプという構成が一般的になりました。また、このNrシリーズはチップセットに430TXを使用した新設計のマザーボードなので、同クロックのPentiumで比較した際、デスクトップ型のMATE
XやVALUE STAR等でチップセットにWild
Catを使用したものより高速でした。ちなみに中古市場において、MMXPentiumを搭載していない初期型のNrシリーズ(今回のもの)はあまり人気が無い様です。人気を推測してみると、ノーマルPentiumを搭載したものはNa15やNa13等のNaシリーズ、MMXPentiumを搭載したものはNr166やNr150のNrシリーズという具合に人気が二分するみたいです。僕個人としてはやっぱりDOSゲームの事を考慮してNaシリーズが欲しいですね。