令和7年度の税制改正の概要 を作成致しましたのでお目通し願います。
法人税関係
● 中小企業等の所得の金額のうち、800万円以下の部分は、15%の軽減税率が適用されていますが、適用期限が2年間延長され引き続き軽減税率となります。但し、単年度所得が10億円超の企業は、15%から17%に引き上げとなりました。
● リース取引の税務上の取り扱いが、令和7年4月1日以降に開始する事業年度から、リース契約を締結した時点で、全体の支払い金額相当を、使用権資産として資産に計上すると同時に総支払金額を負債のリース負債として経理し、使用権資産を毎年リース期間定額法で減価償却する形式で費用に計上していく方式に統一されました。
個人所得税関係
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令和7年より、合計所得が2.350万以下の場合、所得税の基礎控除が48万円から58万円になりました。
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上記の基礎控除は、さらに、合計所得が655万円以下の所得層は、63万円から95万円の範囲で所得が低くなればなるほど基礎控除が増加する仕組みになり、給与年収200万以下(合計所得132万以下)の場合、95万の基礎控除となりました。従来給与103万円以下の人が扶養控除対象でしたが、給与160万以下の人は、令和7年から扶養控除対象となることになりました。尚、給与が130万円以上になりますと、社会保険の扶養対象から外れて単独で社会保険に加入する必要がある部分の変更はありません。
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給与所得控除の最低額が令和7年より、55万円から65万円に10万円増加となりました。
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特定親族特別控除が創設されました。扶養家族である子供が19歳から22歳までの場合でその子供の給与収入が150万円以下であれば、63万円の特定扶養控除を受けることが出来、子供の給与が188万以下になるまで。段階的に63万の特定控除3万円まで縮小する形式になりました。
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令和8年分からですが、子育て世帯に対する生命保険料控除について、新生命保険料にかかる一般枠を
24歳未満の扶養親族を有する場合に限り、4万円の枠を6万円に増やすことになりました。総額12万円の限度額には変更はありません。
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確定拠出年金制度の拡充で、企業型確定拠出年金の上限が従来55.000円であったものが、7000円増額となり、62.000円に、個人型確定拠出年金の上限も従来6.8万円が7.5万円になりました。
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退職所得控除は、1年以上40万、20年以上70万の控除がありますが、DC一時金で退職金を受け取り、その後会社などから退職金を受け取るケースがあり、従来は、DCの退職金をもらった後5年経過後に会社から退職金をもらうなどのケースですと、5年間の間があるため、両方とも退職所得控除を満額受けることが出来ましたが、令和8年からは、10年以上の間が無ければ、退職所得控除は、重複して受けることが出来なくなりました。
以上ポイントの抜粋です。令和7年からの所得税の計算は、非常に複雑になってしまいました。年末調整などで計算することになるものと思いますが、手計算で計算するには、あまりにも複雑なため、
給与計算ソフトなどを上手に使いこなす必要がありそうです。
詳細についてのご質問は、当事務所にお問い合わせ願います。
令和7年4月15日
作成 増田潔税理士事務所 03-3645-8282