049  ブランドのお話                平成17年02月19日

   先日、世界の高級ブランドメーカー、シャネル、ルイビトン、エルメスなどの会社の人事部にお勤めされていた経験を持つ竹内洋子さんの講演をお聞きするチャンスがありました。

   ブランド品には全く無縁の当方でしたが、それぞれの高級ブランド各社は、それぞれの持つ伝統と文化をかたくなに守り、育てている。まさに伝統職人の技によって商品が作られているという印象を受けました。

   面白かったのは、エルメス社が銀座に、メゾン・エルメスを建築した際に竹内さんが建設発注者サイドの業務をされたときの苦労話です。

   設計は、関西国際空港ターミナルビルの設計者、レンゾー・ピアノ氏、建物の外壁を飾るガラスはイタリアのメーカー、その他イギリス,フランスなど11社から構成されていたようで、日本の建築担当が竹中工務店であったそうです。1社に頼んで建築するならともかく、それぞれが鼻高々の11社なのでまとめるのに、優秀な契約書を作る弁護士と、全体を束ねる設計事務所を選定してもらってやっとの思いでビルが完成したそうです。

   コンセプトが、限りなく透明に近いビルを考えた様子で、ガラスを多く、柱を細くということで、日本の耐震基準のクリアーに相当苦労したようです。

   5代目の、デュマ・エルメス氏が、アジアの拠点としてふさわしいビル、そしてそれは東京の銀座という場所でなければならないとこだわって、巨額なコストを支払って建築した建物であるというのがストーリーのようです。ブランドのこだわりの真骨頂をデュマ氏は発揮したのではないでしょうか。

   話をお聞きする前は、全く無関心でしたが、そういう逸話をお聞きした後だと、俄然興味が沸いてくるのが人情というものです。今度銀座に行ったら、この目でしっかり見てこようと思います。