050 町でいちばんの美女   チャールズ・ブコウスキー  青野聡訳

   藤本義一氏のエッセーで、面白いと書いてあったので、図書館で借りてきて読んで見ました。

 たった7ページだけの短編。町でいちばんの美女キャスの短い生涯。彼女と知り合った町でいちばんの醜男との物語です。

 キャスが自分自身の鼻を傷つけた場面で、
「あたしの鼻よ、あたしの鼻をどうしようと勝手じゃない」とキャスが゜言ったあと

「ちがう」と私は言った。「おれが傷つく」

「あたしが鼻にピンを刺すとあんたが傷つくって?」

「その通りだ。嘘じゃない」

「わかったは、もうしない・・・・」

 このせりふが、とても印象的でした。コーチングでは、これをアイメッセージと言いますが、相手に自分の気持ちを伝えるかなり有効なメッセージです。

 尚、チャールズ・ブコウスキーのその他の作品もいくつか読んでみましたが、あまり面白いと感じたものはありませんでした。この本のオリジナルはアメリカのアンダーグラウンド新聞やミニ雑誌に掲載された短編集だと言うことであまり上品とは言えない感じです。