055  高額納税者に思うこと              平成17年5月17日

   昨日、高額納税者番付が発表され、36億円の所得税を納めた46歳のサラリーマンが、今年のトップとのことでしたが、仕事柄税金の計算をしているのですぐに推定年収が100億円程ということがピンときました。

  所得税の税率は、現在37%が最高ですので、36億円の所得税ということは、逆算して課税所得は、100億弱になる訳です。

  このあと、住民税を13%を支払わなくてはなりませんので、今年トップの方の税金はあと13億円追加して、実際は、50億円近くの税金負担となります。

  個人の所得に対する税金は、20年程前は、住民税+所得税合計で最高税率88%もありましたので、当時、松下幸之助さんなどの高額納税者の常連さん達は懲罰的な税率だと怒っていた記憶があります。

  もしも、今回のトップの方が、20年前の税率で課税されたら、手取り12億位にしかならないことになりますから、やる気がなくなると思います。今の日本は、高額所得者にとってみれば、居心地の良い国になってきているのではないかと思います。社会主義国のような、税金体系だったのが、アメリカ的な、資本主義国仕様に税金が変更になったと言えるかも知れません。

  ちなみに、88%がだんだん安くなり、平成元年に65%、平成11年に今の50%になっています。

 但し、現在この最高税率の対象となる所得は、年間で1800万円以上の所得に対応する部分ですから、それ以下の人は、15%から43%の安い税率となっておりますので付け加えておきます。