081  ビジョナリーカンパニー2  ジェームズ・C・コリンズ 平成17年12月01日

  グッドは、グレートの敵である。

  ほとんどの人は、グッドに満足してしまって、グレートを目指さず成長が止まってしまうから グッドはグレートになる場合の敵なのだそうです。

  この本は4年前に出版されたものですが、どうしたら、良い企業が、偉大な企業に飛躍を遂げることが出来たのかその理由は何かにスポットを当てたものです。アメリカで良い企業から偉大な企業に変身した11社とそうでなかった企業とを比較しどこが違うのかを徹底的に調査し、答えを明らかにしています。

  良い企業が偉大な企業に飛躍を遂げる要因は、第5水準の経営者の下で、最初に人材を集め、適材な人をバスに乗せ、適材でない人をバスから降ろし、そのあとで、バスの行き先である目標を決めて走り出すことなのだそうです。はじめに目標をきめるのではなく、はじめに人材を集めるというところが、ポイントのようです。

  どういう人が適材でどういう人がそうでないのかを見極める必要がありますが、第5水準の経営者ならそれが分かるのだと思います。

  第1から第4水準までは、

  第1水準 才能、知識、スキル、勤勉さによって生産的な仕事をする
  第2水準 組織目標達成のため自分の能力を発揮し組織に寄与する
  第3水準 人と資源を組織化し、目標を効率的、効果的に追求する管理者
  第4水準 有能な経営者としてより高い業績を達成するよう組織に刺激を与える

  そして第5水準の指導者というのは 次のような特徴の人なのだそうです。

  職業人としての意思の強さがあり、どれほど困難でも必要なことはすべて行う決意があり、基準を設定してそれを満たさなければ決して満足せず。

  個人としては、驚くほど謙虚で、世間の追従を避けようとし、決して自慢せず、野心は自分個人にではなく、企業に向け、次の世代に一層の成功を収められるような後継者を選び魅力的なカリスマ性によってではなく、主に高い基準によって組織を活気づかせる。

  さらに、成功を収めたときは、窓の外をみて、成功をもたらした要因を見つけ出す(具体的な人物や出来事が見つからない場合は幸運を持ち出す)。結果が悪かったときは鏡を見て、自分に責任があると考える(運が悪かったからだとは考えない)

  この第5水準の条件を満たす日本の経営者を考えてみて、ふと、今年亡くなったクロネコヤマトの小倉昌男氏のことが浮かびました。


  人生の中でも、第5水準の領域を目指すことは、きっと意義のあることと思います。グッドに満足しないで、グレートを目指すことを常に考えながら勉強するべきと思いますが、凡人の当方としては一生たどり着けないものと思います。