089  子供を叱れない大人たちへ 桂才賀著  平成18年01月18日

  先日、税理士会の新年賀詞交歓会で、落語家の桂才賀さんの講演を聞くチャンスがありました。

  桂才賀さんは、高校時代に落語に魅了され、一生の仕事にしようと心に決めて、卒業と同時に9代目桂文治の門を叩いたそうですが、前座の時は給料が出ないから、自衛隊でお金を貯めて、3年たってからまたいらっしゃいと断られ、そのとおり、自衛隊で3年働いて落語家に入門したという経歴の持ち主だそうです。昭和25年生まれで、当方より3歳ほど年長です。

  南伸介さんが司会をしていた時代に8年ほど笑点にレギュラー出演していたそうです。たしかその当時も笑点を見ていた記憶がありますが、印象があまり強く残っていませんでした。ゴメンナサイ。

  表題の本の内容は、20年以上全国の少年院を延べ1000回以上も慰問した中で感じたことなどが書かれています。

  非行に走る子供たちには、非行に走るきっかけがあり、そのきっかけを周りの大人たち、特に両親が作り出していることが多いのではないかとも書かれています。確かにそのとおりと思います。

  それにしても、ボランティアで1回や2回というのではなく、1000回以上も慰問をしているということに頭が下がりました。また、本の印税も犯罪遺児救援基金に全額寄付しているとのことで、またまた頭が下がりました。

  犯罪を犯した子供たちを慰問する必要があるのかという意見もあるかも知れませんが、愛情が希薄な環境に育ってきた子供たちに、少しでも愛情を注ぎ込み、社会復帰をさせることは、決して不要なことではないと思います。

  派手さはなく、地道にコツコツ世の中のために活動されている才賀師匠を応援したい気分になりました。上野の鈴本で昼の部のとりをしているとのことでしたので、今度覗いてみようかと考えています。