110  開業6年目の成功体験          平成18年07月19日

  
  今年の4月で、税理士を開業して20年になりましたが、今までの経験の中で、失敗は山ほどありますが、成功は無いかとふと考えましたところ、ありました。

  開業して6年目の平成4年頃ですが、信用金庫に勤務していた中学校の友人から、銀行の取引先の方の相続税の申告書を見て、特例を受けることが出来そうなのに税金の減額の特例を受けないで申告しているようなので見てもらえないかという話がありました。

  早速、申告した書類を見たところ、なんと、別の税理士が作成して提出済みだったのですが、小規模な宅地の評価減額の特例が使えたのに、それを使わずに申告していたのでした。

  この特例は、基本的には、申告書を提出するのと同時に、小規模な宅地の評価減額の特例を使いますと宣言しなければ認めてもらえないものですので、税務署に対して訂正してくださいという請求が出来ない事案でした。

  そこで、書類を作成した税理士に言って、訂正するよう交渉してみてはどうかと話したところ、どうしてもそれが出来ないという事でしたので、ダメ元で、嘆願書という形で、税務署に出してみようとアドバイスして、当方が嘆願書を作成したのでした。

  嘆願書を出して半年ほどして、納税者本人も税務署に頼み込んだようでしたが、結果として、なんと、嘆願書の内容を認めてもらい、税金を安くしてもらえることになったのです。

  安くなった金額は、約2,350万円ほどでしたが、納税者が大喜びしたことは、言うまでもありません。

  たまたま、納税者は、料亭を経営していましたので、僕と中学の友人となぜか信金の支店長と3人が料亭でドンちゃん騒ぎのもてなしを受けた訳です。

  今から14年程前のことになりますが、仕事での成功体験は、この案件が第1のような気がします。

  それにしても、当時は良かったなぁと思います。今の税務署では、決して嘆願を認めるようなことはしないはずです。