2010.08.29 日本お金 近代通貨ハンドブック 大蔵省印刷局編集
素朴な疑問で表題の本をぱらぱらとめくりました。
日銀は国立印刷局で印刷した紙幣を、代金を支払って保管している訳ですが、
それを貸付け金や国債の買い入れ代金として、市中に流した瞬間に、原価が100円だとした場合の
1万円札が、1万円という価値のお金となって出ていくという事実があります。
ということは、素朴な疑問で
1.日銀は、市中に1万円を流した瞬間、9900円の発行差益を得るのか ??
この答えは、表題の本によりますと、日銀は、1万円を発行したと同時に、1万円の負債を発生させる
ので、発行差益はないという解説です。
2.政府発行の硬貨の発行差益はどうか。
この答えは、発行差益は政府の国庫に組み込まれるということのようです。
2.の答えは納得のできるものですが、どうも1の答えは、納得のいかない答えだと思います。
100円の仕入で、10.000円の価値のものが現実となる訳ですから、9900円日銀は発行した瞬間に
儲かったというのが、理屈上納得できます。
しかし、理屈はそうだとしても、現実、日銀のバランスシートを見ますと、平成22年3月の決算では、
負債の部に、77兆円ほどの、銀行券が計上されています。
ということは、過去に77兆円の銀行券を発行したということです。
現在日本政府は、国民総生産の1.7倍ほどの国債約840兆ほどを発行していますが、日銀がその
半分でも紙幣を発行して、国債を永久保有すれば、国債問題は一気に解決しますが、すさまじいインフ
レになるでしょうから無理なのでしょう。
しかし、良く考えてみると、日銀は、どんどん通貨を発行して、インフレを起こすこともできる訳ですので、
このへんでなんとかならないものかと、素朴な疑問から、さらに素朴な疑問が発生し、また寝られなく
なりそうではあります。
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