034 懐かしい思い出、成田山新勝寺での断食体験 平成16年11月01日 

 今から25年ほど前の話ですが、損保のサラリーマン4年目だった僕は
その年の夏休み1週間を成田山新勝寺の断食堂に行って断食をするという
計画をたてました。きっかけは、当時新聞で断食の様子を紹介した記事が
ありそれに興味を持ったからです。

 1週間、何も食べないという経験は、この時が初めてでしたが、水だけ
飲んで、一切の食品を口にしないという状態が、どういう状態になるのか
ということが体験出来て今でも懐かしい思い出となっています。

 人間、何も食べなくても、1週間ぐらいは何とかなると感じたことが、一番
の収穫となっています。

 断食の初日は、まだ気力が十分ですから、持参した本など読んで過ごして
いましたが、3日目ぐらいになると空腹で、なにより力が出なくなってしまい、
終日ごろごろとして過ごしていました。昼寝をしたり、散歩をしたり、朝は、本
堂に行って、お経を読んだり、夏でしたから水浴びをさせてもらったりして過
ごした訳です。体重は、毎日1キロ程度減っていきましたが、4日目以降は
さほど減らなくなったのを記憶しています。

食べ物を口にしないとあたりまえですが、やる気がぜんぜんなくなってしまいます
普通漠然と考えると、断食をすれば頭が冴えて、感覚が敏感になるような気がし
ますが、僕の場合実際やってみると、空腹で体の力が抜けて何もやる気が出な
い状態になってしまいました。本当にだるいとうのが実感でした。

とにかくだらだらと、ひたすら断食終了の日まで指折り数えながら過ごしたのを
覚えています。最後の日の朝、茶碗1杯のおかゆと焼き味噌(お味噌を小皿に
載せて表面をちょっと焼いたもの)を出して頂き、そのおいしさと言ったら、表現
のしようのないものでした。

今、グルメの時代、飽食の時代となってますが、僕の場合、粗食に文句を言うこ
とがないのは、この経験があるからだと、今、気がつきました。