平成12年の税制改正 の概要
法人税関係
  • 設立10年以内の中小企業である同族会社の留保金課税を2年間停止(平成12年4月1日開始事業年度より)することになりました。
  • 中小企業(資本金1億円以下)の貸倒引当金の法定繰入限度額計算をする際、従来16%割増をしていましたが、12年4月1日以降割増しを廃止することになりました。
  • 売買目的で保有する有価証券は、期末の時価で評価することとなりました。
個人所得税関係 (12年1月1日より適用)
  • 16歳未満の扶養控除が昨年48万とされましたが元の38万に戻すこととなりました。
  • 給与所得者が住宅取得資金を使用者から無利息または低金利で借りた場合、引き続き、平成14年12月31日までは、非課税となりました。
  • 現在住宅ローン控除の限度額が、期限付きで15年間 最高587.5万円に増額されていますが(期限後は6年間で150万が限度、借入上限3000万となる) 12年末までの予定を13年6月30日まで半年間延長されました(ローン上限5000万円)
  • 青色申告控除額が、簡易な簿記の場合は、45万、正規の複式簿記の場合は55万となりました。
  • エンジェル税制が拡充がされました。内容は一定の条件がありますが、投資家がベンチャー企業に投資した場合、利益の1/2のみに課税し、逆に損失が出たときは、3年間繰り越しを認め、その他の株式のもうけと相殺を認めるというものです。平成12年4月1日から5年間となります。
相続税関係
  • 従来国外に居住している者に対しては、日本国内の財産にのみ相続税を課税していましたが、対象者が、日本国籍でかつ相続開始等前5年以内に、日本に住所がある場合は、国外財産も相続税、贈与税の課税財産に含めることになりました。12年4月1日より。
その他
  • 平成11年4月1日から、取得価格100万円未満の情報通信機器を購入した場合、時限措置で、全額損金算入が可能でしたが取得期限が平成13年3月31日まで延長されました。
対象設備・・・ コンピューター、デジタル複写機、メモリー送受信機能付普通紙ファクシミリ、デジタルボタン電話設備、電子ファイリング設備、マイクロファイル設備、ICカード利用設備、デジタル構内交換設備の8設備
  • 機械装置230万以上、事務機器パソコン等100万以上、トラック3.5トン以上などを平成11年4月1日から平成13年5月31日までに取得すれば7%税額控除か、30%特別償却が可能に。(昨年の特例が、 1年延長となりました)
  • コンピューターソフトウエアが、従来繰延資産とされていましたが平成12年4月1日以降取得するものから、無形固定資産になり、従来20万円未満であれば1回の損金でOKでしたが、固定資産に変更となるため、他の固定資産と同様、10万以上20万未満のものは、3年で均等償却するか、5年で減価償却するかの選択適用とされます。
  • 介護保険制度が12年4月1日からスタートしましたので、40歳以上65歳未満の者の介護保険の保険料が新たに徴収されることになりました。
  • ようやく料理飲食税が4月1日から廃止されることになりました。
以上ポイントを抜粋致しました。平成 12年度はおおむね上記のとおり改正されました。
不況対策のため今年は、昨年の時限措置が延長されていますが、改正は、小幅なものとなっています。昨年に引き続き来年の3月までは、コンピューターなどは、購入のチャンスと言えそうです。住宅ローンで住宅を購入する場合も居住開始が来年の6月末までの分は15年間も住宅取得特別控除が適用されるため大変有利と思われます。
平成12年3月 24日 作成                                           増田潔税理士事務所

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